2006 Fiscal Year Annual Research Report
多成分系リチウム塩水溶液の沸騰伝熱機構とマランゴニ効果の発現
Project/Area Number |
17560192
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
鴨志田 隼司 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (30052856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健二郎 芝浦工業大学, 工学研究科, 教授 (00026064)
庄司 正弘 神奈川大学, 工学部, 教授 (00011130)
川口 靖夫 東京理科大学, 理工学部, 教授 (20356835)
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Keywords | リチウム塩水溶液 / プール核沸騰 / 熱伝達特性 / 沸騰様相 / 溶液濃度 / 発泡点密度 / 離脱気泡径 / 気泡サイクル |
Research Abstract |
沸騰現象はその高い伝熱特性が得られることから,工業用の熱変換機器に多く用いられている,沸騰熱伝達特性を特徴づける重要なパラメーターは沸騰気泡の挙動であり,この気泡挙動を明らかにすることは沸騰現象の素過程を見極めるためにも重要である.そのため,沸騰に伴う気泡挙動に関する研究例は理論的にも実験的にも数多くなされているのが現状である.しかし例えば,不揮発性の溶質を含む水溶液の沸騰現象は溶質による沸点上昇や沸騰気泡の気液界面での溶質成分の濃縮など多くの不確定要素を含むためにその研究例は極端に少ない. 本研究はこうした点に注目し,沸騰液体に塩化リチウム水溶液を選び,水溶液の沸騰現象をハイスピードビデオカメラで気泡挙動として記録し,その画像解析から,気泡挙動に及ぼす伝熱面過熱度と水溶液の濃度の効果,さらに気泡挙動と核沸騰熱伝達特性との関係を明らかにした. 実験に用いた伝熱面は水平上向きの直径30mmであり,構造は厚さ0.2mmの薄金板を外径30mmの銅製の加熱円柱に拡散溶接してある.その表面性状は#500の窒化珪素粒を用いてサンドブラストして荒さを施した.試験液体は比較対象とした水と塩化リチウム水溶液の濃度9,43mass%の三種類とした.沸騰は大気圧下で行われ,また伝熱面熱流束の範囲は10〜1450kW/m^2とした. 以上のことから,塩化リチウム水溶液のプール核沸騰における気泡挙動に影響する,伝熱面過熱度と濃度の効果,気泡挙動と水溶液の沸騰熱伝達係数の関係を以下に明らかにした.(1)伝熱面過熱度の増加に伴い,離脱気泡径は減少し,気泡サイクル時間が減少した.(2)気泡休止期間の減少が気泡サイクル時間を減少させている.(3)塩化リチウム水溶液の熱伝達係数は気泡径,気泡休止期間および気泡発生点密度に大きく影響される.
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Research Products
(2 results)