2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
坪井 始 福山大学, 工学部, 教授 (70116482)
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Keywords | 渦電流探傷 / 数値解析 / 電磁界解析 / 探傷信号 / 評価手法 |
Research Abstract |
平成17年度は、渦電流探傷(ECT : Eddy Current Testing)における傷の同定法を確立するために、まず、順解析の計算環境を整え、実用的な解析手法を確立した。渦電流探傷問題は、高精度の渦電流解析を行う必要があり、高性能なパーソナルコンピュータを用いても膨大な計算時間が必要である。渦電流解析手法自体は既に確立しているが、高速に解析を行うために、2つの並列処理手法を検討した。PCクラスタとOpenMP(標準化されたマルチスレッド用プログラム群)による共有メモリを用いたマルチプロセッサによる並列処理である。最近のマルチプロセッサ(マルチコア)を用いたパーソナルコンピュータを用いるとOpenMPによる並列処理が効果的であることを確認し、これを用いた順解析手法を確立した。 ECT信号のデータベースを作成するために、まず、様々なモデルで順解析を実施した。順解析を行う中で、他の研究機関で実施されている励磁コイル配置の工夫によるECT信号の改善法も試みるとともに、励磁法による渦電流分布およびECT信号の改善法を検討した。また、従来から使用されているパンケーキ型励磁コイルの配置と渦電流分布、ECT信号の関係についても検討し、探傷面に対して平行および垂直な場合について、渦電流分布、磁束分布の相違などの検討によって、渦電流分布の改善およびECT信号の高感度化のための様々な知見を得た。複数の励磁コイルを用いる場合についても検討し、配置の最適化により、ECT信号の改善が可能であることを確認した。さらに、渦電流分布の過渡的な変化にも着目し、その評価法およびECT信号への影響を検討した。 また、海外の研究協力者であるハンガリーのブダペスト工科経済大学のグループとも連携をして、逆問題としてのアプローチを共同で行い、学会発表を行っている。平成18年度は、福山大学において合同で成果の検討を行う予定である。
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Research Products
(6 results)