2005 Fiscal Year Annual Research Report
ワイドギャップ半導体デバイスのシミュレーションに関する研究
Project/Area Number |
17560317
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀尾 和重 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (10165590)
|
Keywords | GaN / 電解効果トランジスタ / トラップ / 電流スランプ / ドレインラグ / デバイスシミュレーション |
Research Abstract |
半絶縁性バッファ層中に深いドナー(濃度N_<DD>),深いアクセプタ(濃度N_<DA>)および浅いドナーを考慮した3準位モデルを用いてGaN MESFETの2次元定常及び過渡シミュレーションを行った。特に,オフ状態からゲート電圧をオンにすると共にドレイン電圧を下げたときのターンオン特性を計算した。 ターンオン特性から擬似的なパルスI-7(電流電圧)特性を計算し,これを定常状態のI-V特性と比較したところ,パルスI-V特性におけるドレイン電流値が定常状態のそれよりかなり低くなる「電流スランプ」が再現された。電流スランプに対し,ゲート電圧を変化させたときの「ゲートラグ」の影響が多少あるものの,ドレイン電圧を下げたことによる「ドレインラグ」の影響が支配的であることが示された。また,電流スランプのバッファ層内不純物濃度依存性を検討した。その結果,上述のラグ現象や電流スランプの程度は深いドナー濃度N_<DD>には殆ど依存せず,深いアクセプタ濃度N_<DA>によってほぼ決定され,N_<DA>が高いほど電流スランプが顕著となることを見出した。これは,N_<DA>が高いほど、電子トラップとして働くイオン化した深いドナーの濃度N_<DD>^+が高くなるためと解釈された。また,ゲート長を変えてラグ現象や電流スランプを解析した。その結果,ゲート長が長くなるにつれゲートラグが小さくなるものの電流スランプの程度はあまり変わらないとの結果を得た。 このほか,表面準位を考慮したGaN MESFETのシミュレーションを行うと共に,AlGaN/GaN HEMTのシミュレーションプログラムの作成,初歩的な解析を行った。
|
Research Products
(2 results)