2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境負荷を考慮した協調的市場メカニズムにもとづく熱電エネルギーシステムの最適運用
Project/Area Number |
17560359
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
熊谷 貞俊 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (10093410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 伸二 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50217600)
宮本 俊幸 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00294041)
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Keywords | 地球温暖化ガス排出削減 / 省エネルギー / エージェント / 分散協調システム |
Research Abstract |
本研究課題では、電力・熱エネルギー売買が自由な区域(以降では群と呼ぶ)を想定し、エネルギー生産能力を持たない需要家や、中・大規模の自家発電・発熱システムを具備する需要家をエネルギー売買市場に参入するエージェントとしたマルチエージェントシステムを考える。各主体にはCO_2排出量枠が科せられているとし、エネルギーの売買において単位エネルギーあたりのCO_2排出量(CO2排出量原単位と呼ぶ)を陽に考慮する。それぞれの自律主体は、自己の電力(熱)需要に即応しつつ、時々刻々変化する電力(熱)スポット価格に対応して、最大の経済効果をもたらすような余剰・不足電力の売買機会・発電量・価格を決定するとともに、燃費効率、CO_2排出量などの制約条件下で、群全体の最適化を達成するよう運転プロフィールを協調的に決定しなければならない。課題以前の研究において、熱売買、電力売買がシーケンシャルに行われる場合について多属性オークションを用いた取引手法を提案している。 平成18年度においては、熱売買、電力売買が並行して行われる場合について以下の検討を行った。 1.均衡解の探索。売買が並行して行われる場合一方の取引が他方に影響を及ぼすため、取引を繰り返し行うことにより均衡解を見つける手続きが必要となる。分散協調システムにおける資源配分手法として知られる市場指向プログラミングの本研究課題が対象とするエネルギー取引システムへ適用した。群全体で収束状態に到達するためのアルゴリズムを提案し、計算機実験により収束性を確認した。また、オークションを用いる場合に比べて解の質の観点で効率化されていることを確認した。 2.複数需要家が存在する場合の対応。1.では需要家が1つの場合を仮定して検討を行った。複数需要家の場合に対応できるよう、アルゴリズムの改良を行った。複数需要家が存在する場合においても、収束性、解の効率性を計算機実験により確認した。
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Research Products
(4 results)