2006 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的固定堰の親水空間としての可能性についての研究
Project/Area Number |
17560554
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
村上 修一 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (60283652)
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Keywords | 歴史的頭首工 / 文化景観 / 行動 / 親水性 |
Research Abstract |
今年度は、高知県仁淀川・八田堰の親水空間としての可能性を明らかにするために、堰および周辺の図面および測量調査を行い空間の特徴を把握するとともに、来訪者の行動観察調査を、2006年春季、夏季、秋季、2007年冬季の平日と休日1日ずつ計8日行い利用実態を把握した。 8日の調査で堰両岸への来訪者計213人の行動データを得た。来訪者の大半が河川敷の利用に終始した一方で、両岸から河道内の堰本体へ入込んだのは、来訪者全体の12.7%にあたる27人、そのうち24人が夏季における入込みであった。春季および冬季に入込みは観察されなかった。堰本体での平均滞在時間は、秋季が5分だったのに対し、夏季が1時間8分と極端に長かった。夏季における特定の長時間滞在者の存在がその要因である。3時間12分が最長であった。 利用内容は、水辺・河川に関係する行為として、水泳(35件)、水あそび(39件)、ボート(33)などの水に直接関わりをもつ行為が認められた。 堰本体への入込みが夏季に限られたこと、および、夏季には接水性の高い親水活動が認められたという空間利用の特徴については、堰本体の断面および平面形状、両岸からのアクセス可能性、全調査日で本体全域に越流があったこと、上流側が静水域であることが主な要因として考えられる。
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Research Products
(2 results)