2017 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援学級在籍児童の「書き言葉」習得のための「音声付きカード」を活用した文作り
Project/Area Number |
17H00209
|
Research Institution | 鈴鹿市立鼓ヶ浦小学校 |
Principal Investigator |
勝井 まどか 鈴鹿市立鼓ヶ浦小学校, 教諭
|
Project Period (FY) |
2017
|
Keywords | 音声付キカード / 特別支援教育 / 文作り |
Outline of Annual Research Achievements |
知的障害のある児童の「文作り学習」において、話して伝えることはできても、書いて伝える場面になると、助詞の間違い・助詞を抜く等の課題がある。その際、教員が児童の「話し言葉」から「書き言葉」に直して文を書かせることが一般的である。そこで、タブレット端末とiOSアプリ『ロイロノート』を活用し、児童に文節ごとに自分の声で録音した「音声付きカード」を作成させ、それらのカードを正しく並べる学習法を開発した。本学習法の特徴は、児童が録音する際や文節カードを書く際に助詞を意識させることができる点、タブレット端末を活用して「音声付きカード」をつなげることで、容易に反復練習ができる点にある。学習の手順は以下の通りである。 ① 録音した児童の「話し言葉」を再生しながら、文節ごとに分けた「書き言葉」カードを作成する。「書き言葉」への変換は、児童と教員双方で確認しながら決定する。決定した「書き言葉」をロイロノートのカードに児童が書き込む。 ② ①の「書き言葉」カードに、読み上げる児童の音声を録音して、「音声付きカード」を作成する。 ③ 正しい助詞を使ったカードだけでなく、誤った助詞を使ったカードも作成する。 ④ カード同士をつなげて音声再生させると、文節がつながって1文再生になる。 ⑤ ①~④の作成は、テーマを変えて複数回繰り返した。また、④の反復練習もおこなった。 実践の結果、児童が音声を録音する際に、助詞を強調して読む姿や正誤カードを選択する際に、助詞の違いを聴き比べて判断しようとする姿がみられたことから、児童の助詞への意識づけに寄与したといえる。また、普段のプリント学習では集中力が続かず、直感で答えることが多い児童が、カード作成中に自ら録音をやり直したり、作成した音声付きカードで反復練習をする際、繰り返し聴きなおしたりといった姿がみられたことから、本学習法は、児童の集中力持続や思考を促すことにつながった。
|
Research Products
(1 results)