2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00935
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大津留 厚 神戸大学, 人文学研究科, 名誉教授 (10176943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 理子 城西国際大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10337769)
桐生 裕子 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (10572779)
野村 真理 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (20164741)
家田 修 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 特任教授 (20184369)
篠原 琢 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20251564)
佐藤 雪野 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (40226014)
馬場 優 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (40449533)
柴 宜弘 城西国際大学, 国際人文学部, 教授 (50187390)
辻河 典子 近畿大学, 文芸学部, 講師 (50724738)
森下 嘉之 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (60589042)
飯尾 唯紀 城西大学, 現代政策学部, 准教授 (80431352)
村上 亮 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD) (80721422)
ボシティアン ベルタラニチュ 城西大学, 現代政策学部, 准教授 (80752120)
米岡 大輔 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (90736901)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 東欧近現代史 / 第一次世界大戦 / 大戦間期 / ハプスブルク帝国 / 民族国家 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年7月15日、城西大学で全体会を行い、桐生裕子が「行政制度から考えるハプスブルク君主国解体と新国家建設」について、辻河典子が「国外ハンガリー人社会主義者の政治活動と対ハンガリー意識」について報告した。 2018年3月26日には城西大学でオーストリア科学アカデミーのA・ズッパン氏 を招いて科研の2回目の全体会を行った。ズッパン氏が“The break-up of the Habsburg Monarchy and its consequences”について報告した。ボシティアン・ベルタラニチュは“Assessing the role of Japan in the territorial consolidation of Yugoslav state after World War I”について報告した。3月29日には神戸大学で全体会を行い、ズッパン氏が“Was Austria-Hungary doomed to fail?”について報告し、神戸大学の藤澤潤氏(神戸大学)が“After the Great Change. The CMEA as a Framework for Regional Integration?”と題して報告し、大津留が“Refugees of the Habsburg Monarchy in East Asia”について報告した。 ズッパン氏の報告は、君主と自治的空間としての領邦との関係を受け継ぎながら、そこに住む人々が「国民」として把握され、そしてその「国民」が11の言語を使う特異な「国民国家」として存在したハプスブルク帝国が作り上げた持続可能なシステムを分析したうえで、総力戦としての第一次世界大戦が強いた緊張と、「ハプスブルク後」の世界における継承と断絶を論じ、本科研の趣旨と共通の問題意識が認識された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者、研究分担者は「国境の画定と人口変容」、「制度的連続性と断絶」、「アイデンティティの変容」の各班に編成され、それぞれの班ごとに調査研究を進めると同時に、3回行われた全体会で共通の認識を得ることができた。 とりわけ2018年3月にはオーストリア科学アカデミーからアーノルト・ズッパン氏を招き、ハプスブルク帝国の持続可能性とハプスブルク帝国が崩壊した後のこの地域の連続性と非連続性について、当該地域における研究状況を踏まえて報告をいただき、意見を交換できたことは、収穫だった。 2018年はハプスブルク帝国崩壊、新生国家建国100年の記念の年として国際会議が多く予定されているが、本科研の代表者、分担者は積極的にこうした企画に参加すべく準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を推進していくために本年度は以下の方策を実施する。 代表者、分担者はそれぞれ自己のテーマに関する調査研究を進めるとともに、班ごとに成果の共有を図る。さらに全体会を年2回開催して代表者、分担者の間で認識の共有を図る。 今年度はベオグラード大学のリストヴィチ教授を招き、ユーゴスラヴィアを主として新生国家の側から連続性と非連続性について考察を得る。 今年度はまた、ハプスブルク帝国崩壊、新生国家成立100周年に当たり、国際的な研究集会が多く予定されている。代表者、分担者はそれらの企画に積極的に参加する。 国内においても関連する企画を積極的に展開する。4月にはオーストリアからクリスチャン・ラップ氏を招き、第一次世界大戦開戦の検証を行う。
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Research Products
(20 results)