2017 Fiscal Year Annual Research Report
Motion sensory integration assist system for training motion and sensory function of deep muscles
Project/Area Number |
17H03195
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 孝之 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (10282914)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島谷 康司 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (00433384)
栗田 雄一 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80403591)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | アシスト技術 / 運動知覚 / ヒューマンインタフェース / バイオフィードバック / 人間拡張 / 軽労化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の要素技術として,センシング技術,インタフェース技術,運動知覚誤差モデリング,個別トレーニングプログラムの設計を行った. (1) ウェアラブル骨盤底筋群活動センシング:膣挿入型筋電位計による直接計測,超音波エコーを用いた膀胱挙上量計測による間接計測と従来の骨盤底筋群活動計測に代わる方法として,骨盤底筋群との筋シナジー(筋活動の連動)が確認されている腹横筋や骨盤底筋群を覆う臀筋の表面筋電パタンより,会陰部表面より得た骨盤底筋群活動を推定するウェアラブルセンシング技術の試作を行った. (2) 間接的運動教示インタフェース:直接的に運動刺激を与えることが困難な深層筋肉である骨盤底筋群に対して,筋シナジーを活用して腹横筋に圧迫刺激を加えることによって,骨盤底筋群に間接的に運動教示を与えるインタフェースを開発した.(1)の成果を活用して,視覚的に運動教示するインタフェースを開発し,そのトレーニング効果を確認した. (3) 運動感覚定量化と運動知覚誤差の確認:運動教示インタフェース開発の段階で,骨盤底筋群は運動(筋収縮力)と感覚(収縮感)との間に誤差が生じやすいことを確認した.被験者数が少ないことから,骨盤底筋運動と感覚量との関係をモデル化し,運動知覚に誤差が生じる原因を生体力学的に解明するまでには至っておらず,今後の課題とした. (4) 骨盤アライメント計測に基づくトレーニングプログラム設計:骨盤底筋群の活性度が姿勢によって影響を受けることを確認している.骨盤底筋群を活性化しやすい効果的な運動プログラムの基礎を築く.骨盤の歪みから受ける骨盤底筋群活性度の影響を考慮するため,X線・MRI撮像した骨盤アライメントの計測結果を反映した筋骨格動力学モデルを用いて,個人に適した骨盤底筋群の活性度を高めやすい姿勢を求め,個別トレーニング運動プログラムを設計するための基礎的知見を得た.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度計画した要素技術の開発の内,センシング技術,インタフェース技術,個別トレーニングプログラムの設計では,計画書通りの一定の成果を得ている.これらによって,筋シナジーに基づいた間接的インタフェースを用いたバイオフィードバックによる骨盤底筋群の運動知覚統合で良好な成果を得た.国内外の会議に採択され,対外発表も行う予定である. 一方,運動知覚誤差モデリングでは,被験者が少なく,運動知覚誤差のモデリングには至っていないが,骨盤底筋群の運動と感覚との間に誤差が生じ,バイオフィードバックにより,それらが統合可能である可能性があることを示しており,次年度にモデリングを実施して,さらに効果的な運動知覚統合アシストの実現を目指す.
|
Strategy for Future Research Activity |
ウェアラブル運動知覚統合システムを開発し,運動機能,感覚機能の向上に対して,その効果を評価する. 骨盤底筋への直接的刺激を予定していたが,着用の違和感から実用性に問題があると判断し,本年度開発した間接的インタフェースの性能向上を行う.筋シナジーを活用して腹横筋に刺激を加えることによって,表面筋電計測に影響を及ぼさないよう,振動刺激による運動教示を行い,骨盤底筋群に間接的に運動教示を与えるインタフェースを開発した.腹横筋への刺激強度,パタン,タイミングなどを精査することで,トレーニング効果の向上を目指す.当初計画では,直接的インタフェースの開発を目指していたが,間接的インタフェースに良好な成果が得られたこと,またユーザの心理的な負担を考慮して,間接的インタフェースの性能向上に注力することとする. 次に,運動知覚誤差モデルを実施し,更に個別に同定させる.また,運動教示のための振動刺激と筋収縮力の増減との関係を個別に同定する.これらにより,筋収縮力と収縮感とを統合させるために運動教示インタフェースから与える刺激強度パタンを導出する.更に,筋力トレーニング,感覚フィードバック・フィードフォワード機能向上,それぞれの目的別に運動教示を取り入れたトレーニング運動プログラムを設計する.
|
Research Products
(14 results)