2018 Fiscal Year Annual Research Report
Thoughts of 'State Language' for Multilingualism
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17H07101
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
西島 佑 上智大学, 総合グローバル学部, 研究員 (40802484)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 国家語 / 国語 / ナショナリズム / 多言語主義 / 多言語国家 / 多民族国家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多言語主義をめざした「国家語」(Staatssprache)という言語思想史に関するものであった。研究状況は、新型コロナの影響を受けて公開は遅れているが、順調である。ただ、途中経過報告書でも述べたとおり、多様性をあつかう理論的枠組みが弱いことに気づき、デリダやローティといった哲学者の枠組みをとりいれることとなった。
自閉的な「国語」思想は、いまなお根強い。「国語」は、他言語を捨象し、自己と自国の唯一無二の同一性をつくりだそうとする思想である。そのため、多言語国家と並行的に成立した「国家語」という概念はなかなか理解されない状況にある。「国家語」は多かれ少なかれ、他者(他言語)を認識し、自己を抑制しようとする側面がある。これを論じるために、本研究では、他言語を「むかえいれる」(レヴィナス、デリダ)ための「共感」(ローティ)をもつためには、それ相応の理論的枠組みが不可欠という考えにいたった。
その理論的枠組みとして『友と敵の脱構築』を晃洋書房より出版している。同書は、自己の第一言語と他言語、国語とそれ以外の言語との「友敵」関係をデリダやローティの哲学をもとに脱構築しようとするものである。これにより、多様性というものを認識する本研究なりの枠組みは示せたと思われる。また日本言語政策学会において旧ソ連地域の「国家語」についての報告を行っている。ただ、新型コロナ等の影響もあり、申請期間中に研究成果を公開できなかった。現在執筆中の「「国家語」という思想」は、2020年度中の早い段階で、上記の業績をもとに公開する予定である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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