2018 Fiscal Year Annual Research Report
An Anthropological Study of Waqf in Contemporary Egypt
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17J02475
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
竹村 和朗 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 制定法 / イスラーム法 / 寄進 / 司法 / 憲法 / 公的文書 / 中東人類学 / エジプト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現代エジプトのイスラーム的寄進制度「ワクフ」(個人が私有財産の所有権の移転を「停止waqf」し、その財産から生じる使用利益を指定した受益者に与える制度)を、法制度と具体的な実践の両面から明らかにすることを目指した人類学的研究である。 研究第2年度である2018年度には、第1年度に進めた現代エジプトのワクフに関する資料の収集と制度の全体状況の整理を踏まえ、20世紀以降の法制史的展開を通じたワクフ制度の変容と、特にその中における「司法」の役割について、資料の分析と原稿の執筆を進めた。すでに第1年度には、ワクフ制定法(1946年法律第48号や1952年法律第180号など)、これらに関する司法判断(1952年法律第180号の第3条の2008年違憲判決)、ワクフ関連条項を含む2010年代の新憲法などの資料を収集・分析した。第2年度には、研究計画で予定していた通り、1946年法律第48号制定当時の議論を広範に記録している議会議事録や、ワクフに対する社会的関心を示す新聞記事(1950年代から2010年代まで)を資料に加え、20世紀後半のワクフ制度の変容状況の検討と執筆作業を進めた。 第2年度には、2018年8月と2018年12月に二度エジプトに訪問した。特に、司法への関心にもとづき、2018年12月には、エジプト民法典の邦訳を行っている弁護士有志による「エジプト・アラブ共和国における法制度に関する調査研究」派遣団に参加し、裁判所や検察庁、登記局、大学法学部等を訪れ、司法制度と実務の状況を観察し、司法実務者との対談、裁判傍聴等の貴重な情報収集の機会を得た。司法における調査・研究の可能性を感じた。 2019年4月から就職のためJSPS特別研究員を中途辞退することとなり、最終年度の計画は実施できなくなったが、今後も発展的に継続させていきたいと考えている。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(7 results)