2018 Fiscal Year Annual Research Report
The efficacy of mindfulness training for parents on their children's depression
Project/Area Number |
17J06446
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
水崎 優希 関西学院大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
Keywords | マインドフルネス / 抑うつ / 親子 |
Outline of Annual Research Achievements |
子供のうつ病に対する心理療法の第一選択肢は認知行動療法である (Weersing et al., 2016)。そして,養育者の精神的健康が良好であることは,子供の認知行動療法の治療効果を促進させる重大な要因である (Brent et al., 2015)。以上のことから,養育者の精神的健康を向上させることは,子供のうつ病治療に有効であるといえる。 本研究では,精神的健康を向上させる方法としてマインドフルネスに着目する。マインドフルネスは,養育者の精神的健康を向上させ,子供のうつ症状を減少させることが指摘されている (Parent et al., 2011)。しかしながら,子供のうつ症状を減少させるための具体的な介入手段については検討されていない。そこで本研究では,調査研究によって日本の親子に対するマインドフルネスの有効性を検討し,介入研究によって具体的な方法の提案を行うことを目的とする。 平成30年度は,基礎研究の対象年齢を拡大し,就学前の親子を対象とした調査を行い,親の精神的健康と子供の適応についての検討を行った。養育者のマインドフルネスが親子の精神的健康を向上させうるという先行研究をおおむね支持した結果が得られた。マインドフルな子育て尺度の下位尺度によって異なる働きがあることも示唆された。また,本研究の介入指標のひとつである体験の回避尺度について,日本語版作成に関わるデータを引き続き収集し,因子構造の検討を行った。介入研究では,先行研究よりも回数を減らした介入プログラムの有効性について検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の基礎研究・介入研究の部分についてデータを収集,分析を行い,論文の執筆を進めた。また,国内3件、国外2件の学会発表を行って本研究の成果を報告した。さらに,研究1件を次年度の国際学会に向けて抄録を提出し、査読の結果発表が内定した。介入研究については,介入プログラムを開発し,予備的研究において養育者の精神的健康の改善を示唆する結果が得られた。次年度の介入研究に向けて、実施場所や対象人数の拡大について打ち合わせを行っている。 以上のことから,平成30年度における研究進捗状況は全体的に見ておおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は,基礎研究で得られたデータをもとに論文執筆を行い,介入研究を引き続き行う。平成30年度の介入プログラムにおいて,養育者の精神的健康と子供の適応についての検討を行った。平成31年度では介入研究の実施場所と対象者を拡大しすることを計画している。また,得られた結果については国内外の学会で報告し,論文化することを計画している。
|