2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J06895
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今川 智美 大阪大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 海外子会社 / 組織文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は新興国における文化の違いが子会社マネジメントに及ぼす影響およびそのプロセスについて検討しようとするものである。多国籍企業の海外子会社は2種の文化の影響下に置かれている。立地国の国民文化と多国籍企業としての組織文化の2つの影響下にある。これらが相反する場合には、文化的衝突が生じて、子会社は業績不振やイノベーションの抑制に苛まれる可能性がある。この問題は特に文化的距離の大きい新興国にて観察される。この現象を乗り越えるためには、海外子会社が新たな組織文化を形成するクロスバージェンス・アプローチが提示されている。国の文化と組織文化を折衷した組織文化を、各国の海外子会社が独自に形成するのである。しかしその具体的な形成プロセスモデルは提示されていないため、本研究にて明らかにする。 平成29年度は事前の計画通り定性調査を行った。一連の研究は、各海外子会社が文化的差異を活かしながら事業を成功させている日系多国籍企業を対象とし、そのブラジル、メキシコ、中国子会社の定性調査を行った。さらに多国籍企業の組織文化を把握するために、本社国である日本の各階層の経営幹部へのヒアリングを行った。こうして得たデータを、事前に導出していた仮説モデルと比較検討し、複数の子会社の比較事例分析を行うことで仮説モデルを精緻化した。 さらにモデルの構築には日本における海外子会社の進化のプロセスモデルについての第一人者の参加する研究会にも出席し意見交換を通じてモデルの精緻化を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事前の計画通り、平成29年度中に定性調査を終え、国内外のジャーナル向けの論文執筆を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度が予定通りに進行したため、平成30年度も当初の予定に沿って研究を進める。具体的には、前年度に比較事例分析から導出したプロセスモデルについて、定量分析の厳密な手法を以って有効性を確認する。
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Research Products
(1 results)