2018 Fiscal Year Annual Research Report
博物館の成立・発達要因に関する歴史的研究：個人的要求と社会的要請の相克に注目して
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17J07263
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| Research Institution | Aoyama Gakuin University |
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Principal Investigator |
大木 真徳 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 特別研究員(PD)
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| Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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| Keywords | 博物館史 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2018年度には、前年度に実施した研究計画の精緻化、および、予備的調査の成果を受け、ケーススタディの対象である地方博物館に関して、本格的な調査を実施した。主たる調査対象となったのは、防長教育博物館（山口市）・下郷共済会鐘秀館（長浜市）・大阪市立市民博物館の3館であった。それぞれ、現地にて、図書館・博物館・文書館を中心としたフィールドワークに取り組み、その結果、資料の収集・分析に大きな進展がみられた。収集した資料の内容は、各館の設立経緯、および、設立初期の活動について、その特徴を明らかにするものであり、日本における博物館の発達過程の多様性を描出するという研究目的に沿う成果が得られた。
このうち、防長教育博物館の調査に関しては、その成果のまとめとして、全日本博物館学会第44回研究大会にて研究発表を実施したことに加え、『生涯学習・社会教育研究ジャーナル』（第12号）に論文を投稿した。この論文は、1912（明治45）年に山口県教育会により防長教育博物館が設立され、1917（大正6）年に山口県へ移管されるまでの期間に焦点を当て、その設立経緯ならびに初期活動を、青年団体支援との関連で分析したものである。これにより、博物館設立期における活動の発展に、行政施策が与える影響や、職員が果たす役割等が具体的に明らかになった。
下郷共済会鐘秀館および大阪市立市民博物館の調査については、資料の分析まで終えた段階にあり、2019年度に、順次、学会発表・学術誌への論文投稿を実施する予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度には、当初に予定していたケーススタディ調査を、ほぼ完了することができ、資料の収集・分析に大きな成果がみられた。
この成果の一部については、年度内に、学会発表（1回）、および、学術誌への投稿論文（1件）としてまとめている。なお、投稿論文については、査読の結果、採用・掲載が決定している。
年度内に発表をできなかったケーススタディ調査の結果についても、すでに資料の整理・分析を完了しており、2019年度内の学会発表・論文投稿にむけて、その準備も進んでいる状況にある。
以上の通り、前年度の研究成果を基礎にして、2018年度の取り組みも、おおむね予定していた通りの成果をあげており、研究成果の発表という点も含め、計画が順調に進展している。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず、2018年度に実施したケーススタディ調査のうち、成果の未発表のものについて、学会発表・論文投稿を行う。
その後、出揃ったケーススタディの結果を比較・検討する段階へと研究を進展させ、日本における博物館の発達過程の多様性を描出するという研究目的の達成を目指すことになる。この段階での研究成果については、学会発表や研究交流を通じて、2019年度内に、随時、発信するように努める。あわせて、年度末までには、この研究の成果全体を論文としてまとめ、学術誌へ投稿することを目標とする。
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