2018 Fiscal Year Annual Research Report
イスラーム・コスモポリタニズムとグローバル経済:ハラール食品実践の世界展開
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17J07708
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桐原 翠 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | イスラーム世界 / ハラール / マレーシア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は主に、研究成果の発表および博士論文に向けて前年度に引き続きフィールド調査・資料収集を行った。本年度は特に、ハラールに関する書籍の整理と分析を行った。その成果として、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科附属イスラーム地域研究センター発行の『イスラーム世界研究』へ書評論文の投稿を行った。4月には、マレーシアで開催された世界ハラール会議(WHC)と、マレーシア国際ハラールショーケース(MIHAS)に参加した。ここでは、ハラール食品や化粧品、薬品、衣類などを取り扱う世界各国の企業から情報を集めることが出来た。6月には、京都大学にて開催されたJapan-Malaysiaフォーラムにて、ハラール認証規格とマレーシア政治の関係性について発表を行った。 7月には、スペインのセビリア大学で開催された世界中東学会(WOCMES)に参加した。中でも、ハラールのセッションが設けられており、そこで行われた発表は大変興味深く、報告者の研究にも大きな刺激となった。さらに、7月下旬にはイギリスのダラム大学で開催された国際シンポジウムにおいて英語で口頭発表を行った。このシンポジウムでは、博士論文に向けての方向性を明確化し、議論を行うことが出来た。 2018年9月~10月の約1カ月間は、マレーシアにおいてハラール製品を取り扱うマレーシア企業への聞き取り調査と、首相府直轄の組織でマレーシア国唯一の公式ハラール認証機関JAKIMにて聞き取り調査を行った。11月には、アジア政経学会にて、国際的に拡大するハラール産業の背景とマレーシアの影響について口頭発表を行った。12月には、京都大学にて開催されたシンポジウムにて、ハラール見本市(MIHAS)などに関するポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外で開催されたシンポジウムやフォーラムなどで、積極的に研究発表を行うことで自身の研究内容が具体的になってきたといえる。特に、マレーシアのハラール見本市(MIHAS)の調査から、ハラール食品産業の実際の様子が明確になり、加えて海外の研究者との研究におけるネットワークの構築も行うことができ、本研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、これまでの研究成果を国内の学会や、国際シンポジウムに参加することで、博士論文に向けた研究の方向性を明確にすることができた。加えて、ハラール食品実践に関連する書籍の収集や、ハラール食品の実態を特に、マレーシア、ドバイなどの調査により理解を深めた。 平成31年度は、研究成果の発表及び前年度に引き続きフィールド調査・資料収集を行う。 研究成果発表については、5月の日本中東学会での発表や、9月のダラム大学と京都大学において開催されるワークショップにおいて、報告を行う。さらに、アジア経済研究所が発行する『アジア研究』や日本中東学会が発行する『日本中東学会年報』へ、ハラール食品実践の動向について学術論文投稿を行いたい。 次に、フィールド調査・資料収集については、今年の4月にマレーシアで開催されたWorld Halal Conference 2018(WHC)とMalaysia International Halal Showcase 2019(MIHAS)に参加し、主にマレーシアを拠点にするハラール関係者との意見交換そして、中東地域を拠点とするハラール企業関係者とも意見交換を行うことが出来た。
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Research Products
(6 results)