2017 Fiscal Year Annual Research Report
ホスピタリティ産業における非財務指標の有効性の検討
Project/Area Number |
17J10304
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
三谷 華代 明治大学, 経営学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 非財務尺度 / ホテル業 / テキストデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,研究課題1(顧客セグメント別の利益に及ぼす非財務尺度の影響度合いの検討)および,研究課題2(ホスピタリティ産業における非財務尺度の利用実態調査)に資する研究を進めた。 研究課題1(顧客セグメント別の利益に及ぼす非財務尺度の影響度合いの検討)については,これまでの研究で課題であった実証研究におけるモデルの精緻化のため,財務尺度の測定に関わる顧客にかんする会計指標についての文献研究およびデータの獲得に向けて行動した。分析対象となる企業における情報システムの改善によってこれまでより精緻な分析が行える。今後はこれらのデータを用いた実証的な分析を実施する。また,財務尺度だけでなく,非財務尺度の測定についても検証した。非財務尺度として信頼やコミットメントといったマーケティング分野で重要視される変数を取り入れ,それぞれの変数が財務業績に及ぼす影響を分析した。これらの変数は,顧客関係性マーケティングにおいてよく議論される変数であり,顧客セグメント別の影響度合いを検証する際に重要な変数となりうる。 研究課題2(ホスピタリティ産業における非財務尺度の利用実態調査)については,顧客満足以外にホテル業の非財務尺度として取り上げるべき指標の検討を行った。これまでの研究で実施したホスピタリティ産業に対するインタビュー調査から,顧客満足以外の非財務尺度として,調査対象となったすべての企業が口コミやコメントの重要性を指摘しており,これらのテキストによるデータも無視できないと考えた。テキストデータは,技術的進歩によって分析が可能になったことで,実務的にはもちろん,マーケティングや経営工学といった学術的分野においても重要性が高まっている。しかし,管理会計においてはまだ議論が進んでおらず,その問題が指摘されているため,テキストデータに着目した実証研究に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は,実証研究およびインタビュー調査の継続を予定していたが,体調不良によって思ったように進めることができなかった。体調は定期的な検診を行い,管理しており,回復に向かっている。また,実証研究のための分析手法の選択および理解のため,フランスの共同研究者のもとへ3ヶ月の渡航を行っていたことも,インタビュー調査等が進まず,分析対象企業の実情を含めたモデルの構築まで叶わなかった要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究を一層推進するために,定期的な検診を行い,体調管理を徹底すること,そして,遅れているインタビューによる調査を進めるため,研究方法について再度見直し,効率的に実施できる方法を模索することを行う。後者について,現在,インタビュー調査に用いるフレームワークの再検討を行っている。また,インタビュー対象企業との都合が合わず調査が叶わないという問題も考えられる。これについては分析対象企業の管理職の方と定期的に会う機会が確保できたため,繰り返し会う中で,インタビューをすすめ,非財務指標の有用性についての実務の現状と課題を明らかにし,研究課題の解決に努める。
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