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2017 Fiscal Year Annual Research Report

人工進化工学を用いたアミロイドβ加水分解触媒の開発

Research Project

Project/Area Number 17J10365
Research InstitutionThe University of Electro-Communications

Principal Investigator

望月 和人  電気通信大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2017-04-26 – 2020-03-31
Keywordsアミロイドβ / 人工進化 / T7ファージ / 触媒
Outline of Annual Research Achievements

現在、アルツハイマー病の原因としてアミロイドβの凝集・沈着が挙げられている(アミロイドβ仮説)が、根本的治療薬は無い。そこでアルツハイマー病を治療すべく、アミロイドβを切断する分子の開発が盛んに行われている。しかし、アミロイドβのみを特異的に切断する事は困難であり、今日まで抜本的な解決に至っていない。
本研究では、アミロイドβ中のアミド結合を特異的に加水分解する触媒の開発を目的として、金属イオンと配位子から構成される触媒コアを人工進化させる手法をとる。ここで人工進化とは標的に対してアフィニティーセレクションを行い、あたかも自然淘汰であるかのように人工分子を最適化する技術を指すものとする。具体的な流れを以下に示す。①触媒コアライブラリーを合成し、蛋白質分解能を持つ触媒コアをスクリーニングする ②得られた触媒コアをT7ファージ上の人工抗体ライブラリーに修飾し、アミロイドβに対してアフィニティーセレクションを行う(人工進化) ③人工進化後の触媒を提示したT7ファージのDNA配列をシーケンス解析し、目的の触媒の同定、合成、物性評価を行う。なお、当該年度は①の部分について実験を行った。
当該年度は鈴木・宮浦クロスカップリング反応を利用して2,2´ビピリジン骨格触媒コアライブラリーの合成を行い、各種2価金属イオン存在下で蛋白質分解能を持つ触媒コアをスクリーニングしたが、目的の触媒コアを得ることが出来なかった。以上の問題を解決するため、現在は触媒コア骨格の再設計及び触媒コアライブラリーの多様性の向上を検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当該年度は主に触媒コアの合成・評価を行った。まず、計画通り鈴木・宮浦クロスカップリング反応を利用して2,2´ビピリジン骨格触媒コアライブラリーの合成・物性評価を行った。しかし、2,2´ビピリジン骨格の合成には通常のボロン酸ではなくトリオールボレートを使う必要があるため、ライブラリーの多様性が当初予定していたよりも稼げなかった。また、スズキカップリングを行う際に、ブロモピリジン骨格とピリジニルボロン酸骨格との間での反応において副生成物が産出し、単離・同定する際に問題が生じた。反応条件検討の結果、比較的副反応が少なかった2,2´ビピリジン骨格1つのクルードについて、Zn(Ⅱ), Co(Ⅱ), Ni(Ⅱ), Cu(Ⅱ)それぞれの存在下においてウシ血清アルブミンに対してPBS中、37度20時間作用させたのち、SDS-PAGEによって反応の追跡を行ったが、蛋白質分解能が確認できなかった。現在は触媒能を持つと考えられるライブラリーに適した触媒コア骨格を再度検討中である。

Strategy for Future Research Activity

鈴木・宮浦クロスカップリング反応を利用して2,2'ビピリジン骨格触媒コアライブラリーを作製する。合成物の収率が極端に低い、もしくは合成そのものが困難である場合には別のカップリング反応の利用や、報告例のある加水分解触媒コアの誘導体化を検討する。ライブラリーを作製後、加水分解能の評価に移る。T7ファージ上の人工抗体に対する特異的な触媒コアの修飾(10BASEd-T)を行うには、触媒コアにブロモアセチル基が必要である。そのため、触媒コアライブラリーはアセチル基を含むように設計し、その中から2価金属イオン存在下でアミロイドβ加水分解能を持つ触媒コア候補をスクリーニングする。具体的には触媒コアと各種蛋白質(アミロイドβ、ウシ血清アルブミン等)とを生理的条件下(pH 7, 37℃)にて混合し、電気泳動することで蛋白質加水分解能を持つ触媒コアを選出する。この時、切断された蛋白質をLC-MS/MS解析することで切断部位を特定する。
その後、加水分解能が現れた触媒コアのみ、アセチル基をブロモアセチル基に変換する。変換後も加水分解能が維持されているかを確認する。加水分解能が現れる触媒コアが得られない場合は触媒コアライブラリーの骨格を再設計する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] CRP結合性人工プローブ複合型T7ファージの開発2018

    • Author(s)
      望月 和人、雪野 瞭治、田淵 雄大、SANDHU Adarsh、瀧 真清
    • Organizer
      日本化学会第98春季年会

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Published: 2018-12-17  

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