2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating Model Characteristics Facilitating the Effectiveness of Video Modeling Interventions for Children with Autism Spectrum Disorder
Project/Area Number |
17J11107
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
高橋 彩 兵庫教育大学, 連合学校教育学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
|
Keywords | ビデオモデリング / 自閉スペクトラム症 / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自閉スペクトラム症(ASD)児童生徒を対象として、ビデオモデリングを用いた介入を実施し、ビデオ内で標的行動を提示するモデルの違いによって効果に違いがあるのかどうかを検討することを目的とした。特に、ASD児童生徒が強く興味を示す対象(例:嗜好性の高い人物やキャラクター)がビデオ上で望ましい行動をモデル提示する「ビデオヒーローモデリング」に焦点を当て、研究を進めた。今年度の成果としては以下の2点が挙げられる。 まず、ASD児童生徒のビデオモデリングによる行動変容を促進するモデルの条件を明らかにするために、過去のビデオモデリングを用いた先行研究を概観し、①モデルと模倣者との関係性が模倣行動に影響を及ぼす可能性があること、②標的行動の性質の違いがビデオモデリングの効果に影響を及ぼす可能性があることを示した。 次に、ビデオヒーローモデリングによる効果の個人差を規定する可能性のある要因について、実践研究を通して検討した。特別支援学校に在籍する児童生徒を対象とした実践研究から、介入効果とそれぞれの子どものモデルへの態度(担任教諭への質問紙調査および行動観察により評定)とを比較した。さらに、高い効果を得られると考えられるモデルを選定するためのアセスメント方法についても検討を試みた。以上のような成果があるものの、データ数の少なさや条件統制が十分でなかったという弱点もある。今後は、現在の研究の弱点を改善しつつ、引き続きビデオヒーローモデリングの効果を高めるモデルの特徴を検討していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画をやや変更したものの、以下のような成果がある点から、おおむね順調に進んでいると判断する。 1.ASD児童生徒のビデオモデリングによる行動変容を促進するモデルの条件を明らかにするために、過去のビデオモデリングを用いた先行研究を概観し、①モデルと模倣者との関係性が模倣行動に影響を及ぼす可能性があること、②標的行動の性質の違いがビデオモデリングの効果に影響を及ぼす可能性があることを示した点。この成果については学術論文に投稿中である。 2.特別支援学校に在籍するASD児童生徒(小学部5名・中学部1名)に対してビデオヒーローモデリングを用いた実践研究を行った点。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究協力者を募り、ASD児童生徒を対象とした介入実践の効果について更なる検討を行っていく。具体的には、ビデオヒーローモデリングによる介入を行った後に算出する効果量と、それぞれの子どものモデルへの態度(担任教諭への質問紙調査および行動観察により評定)を比較し、効果的なモデルの条件を検討する。また、前年度の研究の改善点をできる限り改善し、より質の高い実践研究を行うことを目指す。
|
Research Products
(3 results)