2019 Fiscal Year Research-status Report
非特異的腰痛患者に対する鍼の効果-世界初のダブルブラインド・プラセボ対照臨床試験
Project/Area Number |
17K09329
|
Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
矢嶌 裕義 東京有明医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00563412)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 知揚 東京有明医療大学, 保健医療学部, 講師 (10563413)
高山 美歩 東京有明医療大学, 保健医療学部, 講師 (20563414)
高倉 伸有 東京有明医療大学, 保健医療学部, 教授 (60563400)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ダブルブラインド鍼 / 非特異的腰痛 / 筋電図 / レントゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究は、術者及び患者をマスクした状態(ダブルブラインド下)で、非特異的腰痛に対する鍼治療の効果を観察することを最大の目的としている。この研究で用いる最も重要なダブルブラインド鍼は、これまでに刺入操作時に鍼が動かなくなり、刺鍼できなくなってしまう事態に見舞われる等の問題点が数回確認された。これらの問題点に対して、鍼を支える内鍼管の形状、及び刺入感覚を相殺する為のシリコンの硬度を変えるなどして解決を図り、現在までにプロトタイプが完成した。そしてこのプロトタイプの鍼を用いて本研究を継続している。 その一方で、より精度の高い臨床研究に適したダブルブラインド鍼開発を目指す目的で、現在も当該研究中に生じたその他の問題点を抽出して検討し、これを改善するマイナーチェンジを繰り返しつつ、臨床研究を進めている状況である。 また平成31年度に本研究における臨床施設での研究が始まった当初は、本学の附属鍼灸センターと附属クリニックとの初の共同臨床研究であったことから様々な障害があり研究開始時期が遅れたものの、昨年度からはこうした問題点を克服し、事務局の協力のもと、目標患者数の2/3にあたる、42名の非特異的腰痛患者に対する臨床研究を実施することができた。 しかしながら令和2年に入り、SARS-CoV-2 感染症の問題が生じ、本学附属鍼灸センターが患者の受け入れを制限し、その後休診に追い込まれたことから、被験者の確保が困難となり、現在も当該研究はストップしている状態である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在までに目標としている予定被験者数の2/3を終了している。研究開始の時期が当初の予定よりも遅れたが、その後研究に参加していただく患者の募集について、臨床施設周囲の大型集合住宅やスポーツジム、江東区営の公共施設に患者募集のポスターを掲示及びチラシ設置させて頂き、近隣住民のへのリクルートを始めたことから、目標としている2/3の患者募集が可能となった。また研究の終了した被験者のデータの整理と入力を行い、解析が実施できる準備を行なっている。しかしながら、SARS-CoV-2 感染症の問題により、附属鍼灸センターが閉鎖されたことから、治療ができなくなり、当該研究はストップしている状態である。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究に参加していただく患者の募集については、これまで同様に本学臨床施設の外来患者を対象とし、その他からの患者の募集については、昨年同様に臨床施設周囲の大型集合住宅やスポーツジム、江東区の公共施設等に患者募集のポスター掲示及び、チラシ設置により、近隣住民への告知及びリクルートを予定している。 SARS-CoV-2 感染症問題に対しては動員するスタッフ人数を絞ることにより三密を防ぎ、マスクと手袋の着用を義務付け、厚生労働省の「新型コロナウィルスに関するQ&A(医療機関・検査機関の方向け)」を参考にしつつ対処し、研究を進めていく予定である。しかしながら上述したようにスタッフの人数を絞りダブルブラインド鍼の操作状況等も確認しながら研究を進めていく事から、これまでの速度での実施は難しく、これまで以上に精度の高い鍼の製作が必要になる事も予想される。
|
Causes of Carryover |
平成31年度臨床研究が始まった当初は、本学の附属鍼灸センターと附属クリニックとの初の共同臨床研究であったことから様々な障害があり研究開始時期が遅れたことや、この研究で用いるダブルブラインド鍼の問題点を解決するための鍼の開発に時間がかかったことから、当該年度の臨床研究も全体としてやや遅れているため。また、SARS-CoV-2 感染症の問題が生じ、これにより被験者の確保が困難となっているため。
|
Research Products
(11 results)
-
-
-
[Journal Article] Acupuncture to Improve Symptoms for Stable Angina: Protocol for a Randomized Controlled Trial2019
Author(s)
Schlaeger J, Cai HY, Steffen AD, Angulo V, Shroff AR, Briller JE, Hoppensteadt D, Uwizeye G, Pauls HA, Takayama M, Yajima H, Takakura N, DeVon HA.
-
Journal Title
JMIR Res Protoc.
Volume: 8(7)
Pages: e14705
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
[Presentation] 東京有明医療大学附属鍼灸センターの受療患者像 (第2報) 受療の契機となった情報の分析2019
Author(s)
水出 靖, 木村 友昭, Chuluunbat Oyunchimeg , 高梨 知揚, 藤本 英樹, 菅原 正秋, 高山 美歩, 谷口 博志, 矢嶌 裕義, 古賀 義久, 安野 富美子, 坂井 友実
Organizer
第68回(公社)全日本鍼灸学会学術大会(名古屋)
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 脳出血後に生じた肩関節痛と運動制限に対する鍼治療の効果-表面筋電図による肩周囲筋活動の評価の有用性を示す症状-2019
Author(s)
納部瑠夏, 奈須守洋, 平松燿, 内田裕, 田中智大, 喜多村崇, 荒木美紗江, 川上桃子, 高山美歩, 高倉伸有, 矢嶌裕義
Organizer
日本鍼灸学会関東支部学術集会
-