2020 Fiscal Year Research-status Report
オルタナティブ家族で精子提供によって出生した子の情報開示ジレンマに関する研究
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17K18580
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牟田 和恵 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80201804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 里美 京都大学, 文学研究科, 准教授 (20584098)
岡野 八代 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (70319482)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 精子提供 / 同性カップル / 生殖補助技術 / オルタナティブな家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
本来の最終年度に、研究の最終まとめに向けて、東アジア諸国での状況の理解の補足として中国本土の当事者調査を予定していたがコロナ禍で渡航不可能となり研究期間を延長して調査を行うべく準備・待機していたが、コロナ状況は改善せず、補足調査自体を断念した。そのうえで、研究の最終アウトプットとして出版を企画し、交渉の上、白澤社を出版社として『女性たちでつくる家族---精子ドナーを得ての家族形成』(仮題、全180頁)として刊行することが決定、20年度後半は共同研究者とともに全体構成の決定と各部分内容の執筆に入った。年度末には初稿が完成、2021年度前半までに刊行する見通しがたった。本書は、性的マイノリティによる生殖補助医療を用いた家族形成・子育て実践の調査研究として日本ではこれまでにないもので、かつ、国際的な研究知見を踏まえて理論的な議論を加えた、家族社会学・フェミニズム理論・ジェンダー論の成果としても重要なものとなろう。なお、目次は以下のとおりである。 序 同性カップルが子を産み育てるということ、それぞれの家族たち:日本での調査から、II 海外からの知見と示唆 【カトリック国】 フランス、イタリア、アイルランド 【東アジア】台湾、韓国、III 女性たちだけでの子育てを考える:彼女たちが示唆する「家族」の可能性、IV【理論編】女性同士の家族を通してみる「家族」とケア、Vまとめに替えて:今後必要な制度の整備について提言。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績概要に記したとおり、補充調査を断念せざるを得ずその点では研究の進捗が滞ったものの、調査を断念後は最終成果刊行に向けての作業は着々と進行したので。
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Strategy for Future Research Activity |
最終稿に向けて現在作業中であり、本年度前半に刊行を行う予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた中国調査を行えなかったため、残額が生じた。コロナの状況から、同調査の実施を断念し、2021年度前半での最終報告の書籍刊行に向けて進捗しており、残額は主にその費用として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)