2018 Fiscal Year Annual Research Report
「深い学び」を志向した高等学校生物「パフォーマンステキスト」の開発と実践
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18H00079
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井上 純一 広島大学, 附属高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 深い学び / パフォーマンス課題 / 資質・能力の評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究目的 本研究では, 高等学校生物において「深い学び」を実現する具体的な教材・評価モデルの構築を図ることを目的とした。特に, 以下の2点を達成目標とした。 (1) パフォーマンス課題や評価観点・評価指標(ルーブリック)等を包括した単元ごとの「パフォーマンステキスト」を開発する。 (2) 開発したテキストを用いて授業実践を行い, 学びの「深さ」を測る教材及び評価モデルとして提案する。 2. 研究方法 (1) パフォーマンステキストの開発 単元ごとのテキストには, 事実的知識・事例と概念・原理の間の「上り下り」やそれらの「転移」, 他者との「協働」を可能とする適度にチャレンジングな課題を順に配列した。また, 資質・能力とテキストに配列する課題等との関係を以下のように整理した。 ①知識・技能の習得及び思考力・判断力・表現力等の育成→単元の中核となる概念・原理に関する課題 ②科学的な探究能力の育成→観察, 実験を伴う課題や科学の方法に関する課題 ③メタ認知能力の育成→リフレクション(自己質問による省察) (2) パフォーマンステキストを用いた実践 単元ごとに〔コンフリクト : 概論の理解〕→〔内化, 外化の往還 : 事実的知識, 事例の理解→課題→議論と共有→フィードバック〕→〔リフレクション : 「本質的な問い」と「永続的な理解」についての自己質問作成〕の順に進め, それらを1サイクルとした。 3. 研究成果 これまでの実践の結果, 自己質問の記述では, 単元の本質的な問いが多く見られたとともに, 別の単元内容やより高次の課題への転移が可能な問いも散見された。また, 振り返りの記述では, 学習への主体的・能動的な関与の意識が高まっているとともに, メタ認知が高まっていることが窺えた。今後は, 課題の内容を適宜改善するとともに, 「学びの深さ」を可視化するための評価指標(ルーブリック)の開発を行い, 汎用的なモデルとして提案できるものとしたい。
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Research Products
(4 results)