2018 Fiscal Year Annual Research Report
日本新宗教史像の再構築:アーカイブと研究者ネットワーク整備による基盤形成
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18H00614
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊地 暁 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (80314277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 正彦 天理大学, 人間学部, 教授 (00309519)
栗田 英彦 南山大学, 南山宗教文化研究所, 研究員 (10712028)
永岡 崇 大阪大学, 文学研究科, 招へい研究員 (30725297)
一柳 廣孝 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (40247739)
星野 靖二 國學院大學, 研究開発推進機構, 准教授 (50453551)
大谷 栄一 佛教大学, 社会学部, 教授 (70385962)
吉永 進一 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90271600)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新宗教 / 学説史 / アーカイブ構築 / 国際ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、曲がり角を迎えている新宗教史研究を、理論、資料、対象のあらゆる面から更新する試みである。理論面においては、「新宗教」概念の学説史的考察、海外での新宗教研究との意見交換、資料面においては、「通説」再検討の基礎となるべき教団機関誌や同時代メディアの発掘と整理とアーカイブ化、対象面としては、宗教概念の枠の外におかれた精神療法・霊術や修養などの研究と、同時代の海外の宗教的あるいは霊的な思想や技法などの影響についての調査を実施する。 本年度は、シンポジウム「1968年と宗教:全共闘以降の「革命」のゆくえ」(2018年12月15日於京都大学人文科学研究所)を開催、従来ほとんど注意されてこなかった同時代の学生運動、社会運動とスピリチュアル思想、宗教運動との接点を探り、新宗教史研究に対する学説史的、方法論的な再検討を試みた。 資料面については、大本教関連の一次資料整理、「日本心霊学会」資料のデジタル化などのアーカイブ構築を進行中である。とりわけ、「日本心霊学会」の機関紙『日本心霊』のデジタル化を完了したことにより、同会の通時的な展開、各地の支部の活動状況、科学言説と宗教言説が合流する「心霊」概念をめぐる知識人層の関与、宗教運動と出版活動の関連など、「新宗教」をめぐる多様な論点の分析を進めるための橋頭保を確保できたと考えている。宗教と出版に関しては、宗教雑誌に関するワークショップを継続的に企画、未だ世に知られていない数多の宗教出版物を発掘し、知見を共有することを進めている。 このほか、新宗教研究分野での国際ネットワーク構築に向けて、海外研究者との意見交換を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトは、新型コロナの影響にともなう資料整理作業、研究会等の延期など、若干の遅延はあるものの、研究期間内に回復可能な程度であり、全体的には問題のないペースだと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に行った資料整理、アーカイブ構築作業を継続するとともに、研究会等を通じてその分析を進め、さらに、国際学会での発信も試みる予定である。研究会開催や国際学会報告については、新型コロナの影響による制約が予想されるが、オンラインなどの代替手段を駆使して、プロジェクトの推進に努める所存である。
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Research Products
(2 results)