2020 Fiscal Year Annual Research Report
日本文化の対話的発展の比較文学的研究―世界のポップ・テクストをめぐって
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18H00657
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平石 典子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20293764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヨコタ村上 孝之 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 准教授 (00200270)
山中 由里子 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (20251390)
SEN RAJLAKHI (センラージ・ラキ) 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 助教 (20795611)
加藤 百合 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50326815)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 比較文学 / 現代文学・文化 / ポップ・テクスト / 対話的発展 / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、欧州、ロシア(及び旧ソ連地域)、北米・南米、東南・南アジアでの調査が予定されていたが、引き続きcovid19の蔓延のため現地調査ができなかったため、それぞれの地域の研究協力者や情報提供者(実作者を含む)とインターネット経由での連絡を密にして、可能な範囲での資料収集を行った。また、これまでに収集した事例の分析・考察を深め、調査結果をまとめてオンライン開催の学会での成果発表や、博物館での展示を行った。 研究課題項目①メディア・ジャンルの対話と新文化の創出 翻訳と新文化の創出については、これまでの調査の中でいくつかの具体的な論点をめぐる議論が深まりつつある。そうした論点についての分析・考察をさらに深めた成果の一端は、2020年8月にベルギーで開催予定だったものの1年延期となり2021年8月にオンライン開催された欧州日本研究協会(EAJS)の国際大会におけるパネル発表(研究代表者、研究分担者、研究協力者が参加)や、2021年1月にオンライン開催された米国現代語学文学協会(MLA)での特別セッション(研究代表者および研究協力者が参加)で発表した。また、ポップテクストにおける幻獣表象の創造過程についての研究成果を、巡回展「驚異と怪異-モンスターたちは告げる-」兵庫県立歴史博物館(2020年06月23日-8月16日)にて還元した。 研究課題項目②異分野との融合 ポップ・テクストとファッションや美術などの融合については、これまでの調査の中で進めてきたいくつかのケーススタディについての調査結果をまとめる作業が行われた。その成果の一端は、2021年1月にイタリアで開催予定が2021年7月に延期されてオンラインでの開催となった国際比較文学会研究分科会主宰の学会*Transcodification: Literatures - Arts - Media*(研究代表者および研究分担者が参加)などの学会で披露された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の世界的な流行がおさまらず、現地調査には行けない状況が続いた。可能な限り現地の研究協力者などに資料の収集を依頼したが、地域によっては協力者のCovid-19への罹患など、地域を移動しての研究調査が厳しい状況が続き、残念ながら当初予定された調査結果が得られたとは言い難い。また、2020年度に予定されていた国際学会や国際集会の一部は、2021年度にオンライン開催されたが、先方より対面開催の希望があったロシアでの研究集会など、中止となったものもあった。オンライン開催された会議においても、発表をめぐっての国際的な議論の深化、という点でも、対面開催ほどの成果を得ることはできなかった。成果の出版に関しても、covid-19の蔓延に関わり出版に至る工程が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでの調査とその分析をもとに成果をまとめることが主な作業となるが、成果発表についてはcovid-19の流行状況をみながらできる範囲で国際的な成果発表を行っていく。
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