2020 Fiscal Year Annual Research Report
The Regional Toshogu Shrines and the Deification of Ancestors in the Edo Period
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18H00711
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岸本 覚 鳥取大学, 地域学部, 教授 (80324995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根原 理 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (30222079)
中川 仁喜 大正大学, 文学部, 准教授 (30633482)
佐藤 眞人 北九州市立大学, 文学部, 教授 (40222020)
山澤 学 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60361292)
大川 真 中央大学, 文学部, 教授 (90510553)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 諸国東照宮 / 神格化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の全体的な研究概要は以下の通りである。2020年度内で実施できなかった繰り越し分(2021年度)をあわせて記載する。 研究代表は、2020 年12 月13 日オンラインによる日本佛教綜合学会で「近世大名家における菩提寺の形成と展開―鳥取藩を事例として」を報告した。このシンポジウムには、研究分担者が趣旨を担当している。因幡東照宮だけでなく、鳥取藩の藩祖の顕彰を菩提寺の形成という視点から論じ、近世の新たな「黄檗宗」が与えた影響力について考察を加えた。後日雑誌に掲載している。また、大雲院との関係で、鳥取の神職の活動についても報告した(「因幡神職による神葬祭運動―弘化・嘉永期を中心にー」鳥取地域史研究会例会、2020/07/11 鳥取県立博物館)。 その他研究分担者においても、徳川家康の神格化を扱った論稿、近世期の思想史の論稿などが成果となっている。コロナ禍の関係で思ったような成果が出ていないところもあるが、各自努力して業績に結び付けた。 なお、現在研究成果の公表に向けて、二つの方向性を確認している。一つは、ライデン大学におけるシンポジウムの成果を雑誌などを通じてまとめていくこと、二つには研究集会などの実施である。 前者については、出版社との交渉をはじめることとなり、シンポジウムだけでなく、関連研究の方にも参加してもらう方向性で議論を開始した。後者については、感染状況が見通せないなか、継続的な検討が必要であるということになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で、研究活動が制限され、本研究の中心である大雲院の調査がほとんど進んでいない。また、テーマに即した史料調査のための出張や、学会報告・参加等が困難な状況が続いている。そのため、研究代表者および研究分担者の史料分析や成果公表も遅れているのが現状である。 鳥取の史料調査は、できる範囲内で研究代表と研究協力者と学生・院生の組織を中心に、因幡東照宮別当寺大雲院で行った。コロナ禍であったため、調査は慎重に行い、撮影はほとんど実施できなった。極力調査や研究会は回避し、今までの史料(デジタルデータ等)の整理を中心に進め、研究分担者と共有することを目指した。しかしながら鳥取藩政資料家老日記や寺社奉行日記などの共有化についても作業が進まなかった。叡山文庫についての継続的な調査も視野に入れるべきところだが、感染症終息のめどがたたないため当該年度も再び見送ることとした。 このように当該年度は、感染症拡大のため、計画していた研究会はすべてオンライン会議で実施した。第一回は2020年9月17日に実施し、研究代表をはじめ研究分担者の進捗状況などを確認した。第二回は、2021年3月16日にオンライン会議形式で実施し、それぞれの進捗状況を確認するとともに、感染状況が継続による計画の変更や延期などについて検討を始めた。全体としては、研究計画の延長や見直しなどが中心にならざるを得なかった。 以上のような進捗状況のため、全体として研究の進捗状況は遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染状況が見通せないなかで、撮影作業は当面見送り、今まで撮影した史料や、鳥取藩政資料(「家老日記」「寺社奉行日記」など)の分析や翻刻を進めていくことにしたい。できる限り、鳥取県内でできることを優先して実施することを目指す。全体的な見通しは、延長を視野に入れながら二年ぐらいでおさまるようにしていく予定である。そのなかで、各自の研究テーマは、引き続き追及するが、若干の計画変更等はやむを得ないものとして検討を継続する。 ただし、ライデン大学の研究集会の成果は、専門雑誌の特集号形式で進めていくこととした。着実な刊行に向けて、準備や研究会の開催なども進めていきたい。早い段階の時期に進捗状況も含めて報告する機会を持つことにしていている。
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Research Products
(6 results)