2018 Fiscal Year Annual Research Report
Branding of Manufacturing Process by Luxury Brands and its Application to Local and Long-stanging Companies in Japan
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18H00908
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長沢 伸也 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (40164412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姜 志清 早稲田大学, 商学学術院, 助手 (00779150)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ラグジュアリーブランド / ものづくり / 地場産業 / 伝統産業 / エクスペリエンス(経験・体験) |
Outline of Annual Research Achievements |
欧州ラグジュアリーブランドの「ものづくりブランド化」の過程を解明し、これを我が国の地場・伝統企業へ応用することを目指す。ルイ・ヴィトンやグッチなどのラグジュアリーブランドは、小規模家業から世界的に飛躍した「ものづくり企業」であり、欧州における地場・伝統企業であるといえる。一方、我が国には老舗や地場・伝統企業は多く存在するが、多くは衰退し続けて危機的な状況にある。そこで本研究では、欧州の「ものづくり企業」が世界的なラグジュアリーブランドに飛躍したのは、単なる最終製品だけをブランド化したのではなく、製作過程も含めてものづくり自体をブランド化したとの観点からその過程を解明し、その戦略と過程を我が国の地場・伝統企業に適用して、復活・再生するだけでなく「ジャパンブランド」として世界に飛躍しラグジュアリーブランド化する条件や道筋、および具体的な手段や方法論を構築・提示することを目的としている。 ブランド戦略については、欧州ラグジュアリーブランドのブランド力の源泉は「ものづくり」を含めて「信頼」にあるのではないかと思い至り、「ラグジュアリーブランドにおける信頼」について分析した。また、新興ブランドながらブランドを確立している「リシャール・ミル」、「トーキョーバイク」、「ホワイトマウンテニアリング」、「バルミューダ」を取り上げ、そのブランド戦略について「ハイエンド型破壊的イノベーション」の理論構築と検証を行った。 また、我が国の地場・伝統企業については、山梨「勝沼醸造」、新潟「朝日酒造」、山形「オリエンタルカーペット」、山形「佐藤繊維」を取り上げ、それぞれのブランディングの特徴を分析した。 さらに、これらのブランド力の源泉である「エクスペリエンス(経験・体験)」について、経験価値、経験価値モジュール、行動的経験価値、関係的経験価値を再考した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度より欧州ラグジュアリーブランドと我が国の地場・伝統企業について比較考察を実施し、その方向性を明らかにするため、ブランド発祥地が欧州か日本か、ブランドのタイプがラグジュアリーかラグジュアリーほどではない通常(プレミアム、マステージ、アクセシブル・ラグジュアリー、アフォーダブル・ラグジュアリー等と呼ばれる)かにより対比して進める予定であった。 しかしながら、ブランド戦略については、欧州ラグジュアリーブランドのブランド力の源泉は「ものづくり」を含めて「信頼」にあるのではないかと思い至り、当初計画には無かった「ラグジュアリーブランドにおける信頼」について分析した。また、新興ブランドながらブランドを確立している日欧の「リシャール・ミル」、「トーキョーバイク」、「ホワイトマウンテニアリング」、「バルミューダ」を取り上げ、そのブランド戦略について「ハイエンド型破壊的イノベーション」の理論構築と検証も当初計画には無かったものの行った。 このため、初年度に予定していた欧州ラグジュアリーブランドと我が国の地場・伝統企業について比較考察を実施するまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、新興ブランドながらブランドを確立している日欧の「リシャール・ミル」、「トーキョーバイク」、「ホワイトマウンテニアリング」、「バルミューダ」を取り上げ、そのブランド戦略について「ハイエンド型破壊的イノベーション」の理論構築と検証も当初計画には無かったものの行った結果、日欧で共通するブランド確立のための条件が明らかになった。 今後はこれを踏まえて、欧州ラグジュアリーブランドと我が国の地場・伝統企業について比較考察を実施し、その方向性を明らかにするため、ブランド発祥地が欧州か日本か、ブランドのタイプがラグジュアリーかラグジュアリーほどではない通常(プレミアム、マステージ、アクセシブル・ラグジュアリー、アフォーダブル・ラグジュアリー等と呼ばれる)かにより対比して進める予定である。
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Research Products
(34 results)