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2018 Fiscal Year Annual Research Report

Genetic mechanism of parallel evolution in a shell brooding dwarf cichlid

Research Project

Project/Area Number 18H02499
Research InstitutionUniversity of Hyogo

Principal Investigator

高橋 鉄美  兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (70432359)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 曽田 貞滋  京都大学, 理学研究科, 教授 (00192625)
渡邉 正勝  大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (90323807)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords古代湖 / シクリッド / 平行進化 / 適応放散 / 国際協力
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、タンガニイカ湖に固有なシクリッドTelmatochromis temporalisにおける、矮小型の平行進化の遺伝的機構を明らかにしようとするものである。具体的には、矮小型を発現する対立遺伝子が普通型集団に低頻度で存在し、矮小型に好適な環境(シェルベッド)が出現した際に、自然選択によってその頻度が増加して矮小型が進化すると考えている。この機構を解明するため、初年度である本年度は、普通型と矮小型を親とするF2世代の作出を行った。その結果、オス35個体とメス72個体を得た。オスは死亡率が高く、サンプルに偏りが見られる。一方メスは比較的死亡率が低く、今後のQTL解析に適していると考えられる。F2の作出は今後も引き続き行い、十分な個体数を得る。
またQTL解析の次には、野生個体を用いた責任遺伝子の絞り込みや、他種における同遺伝子の動態を調べる予定である。そのときは大量サンプルの遺伝子型を特定する必要があるため、リアルタイムPCR装置を購入した。
さらに本年度はタンガニイカ湖での潜水調査を行い、これまで公表されていない新たな型を採集した。これまでは、沿岸の岩場に生息する普通型と沖合のシェルベッドに生息する矮小型のみが公表されていた。しかし今回の調査によって、沖合の岩場に生息する新たな型が形態的に特徴的で、また近隣に生息する他の型と遺伝的に異なることが示された。いまのところ、新しい型の形態的特徴がどのような自然選択の結果であるのかは不明であるが、今後の課題として興味深い。この型については、引き続きデータを取得して、研究2年目にあたる次年度中に論文として投稿したい。
以上のほか、T. temporalisの体色に関する論文を出版した。また、T. temporalisの解析にddRADを用いた集団解析が必要であるが、その有効性を日本産淡水魚で確認し、論文を投稿した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

QTL解析に必要なF2世代の作出は順調に進んでおり、体サイズにも十分な変異が見られる。体サイズが平行して進化した機構を考えると、責任遺伝子の数は少数であることが予想される。このため、まずは100個体未満の個体数でQTL解析を行う予定である。来年度には必要数を満たす可能性が高い。
現地(ザンビア)での採集調査も予定通り行うことができた。
T. temporalis矮小型が平行進化した他の場所として、タンザニア沿岸がある。タンザニアでの調査における難点の一つに、調査許可と在留許可の取得がある。しかし、本年度はこれらを取得することもできた。このため、来年度には予定どおり、タンザニアでの調査も可能となった。
また、ddRADを用いた集団解析がとても精度が高く、経済的にも有利であることを示すことができた。このため、今後は平行進化の解明(とくにタンザニアを含む新たなデータセットの解析)にddRADを用いる目処がついた。

Strategy for Future Research Activity

F2の作出を終了し、体サイズに関するQTL解析を行う。その次には、野生個体を用いて矮小型の責任遺伝子を絞り込む。さらに、他種でのこの遺伝子の動態について調べ、なぜT. temporalisだけが矮小型を平行進化し得たのか、調べる。
このほか、タンザニアでの採集を行い、平行進化の例数を増やして、仮説がどの程度支持されるのかを調べる。
本研究は、タンガニイカ湖シクリッドの適応放散機構を解明するという大きな流れの一部である。このため、現地に赴いた際には本研究課題に限らず、他の現象や他の種についても幅広く調べる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2019 2018 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (2 results)

  • [Int'l Joint Research] Ministry of Fisheries and Livestock(ザンビア)

    • Country Name
      ZAMBIA
    • Counterpart Institution
      Ministry of Fisheries and Livestock
  • [Journal Article] Colour variation of a shell-brooding cichlid fish from Lake Tanganyika2019

    • Author(s)
      Tetsumi Takahashi
    • Journal Title

      Hydrobiologia

      Volume: 832 Pages: 193-200

    • DOI

      https://doi.org/10.1007/s10750-018-3717-6

    • Peer Reviewed
  • [Book] 古代湖(日本魚類学会編 魚類の百科事典)2018

    • Author(s)
      高橋鉄美
    • Total Pages
      258-259
    • Publisher
      丸善出版
    • ISBN
      978-4621303177
  • [Book] 新種(日本魚類学会編 魚類の百科事典)2018

    • Author(s)
      高橋鉄美
    • Total Pages
      22-23
    • Publisher
      丸善出版
    • ISBN
      978-4621303177

URL: 

Published: 2019-12-27  

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