2021 Fiscal Year Annual Research Report
血縁の効果と群形成の効果を完全に分離した上での社会性の進化因の解明
Project/Area Number |
18H02502
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷川 英祐 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (40301874)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 和也 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (00648280)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 社会性 / 血縁選択 / 集団形成の利益 |
Outline of Annual Research Achievements |
北大構内および、その他のシオカワコハナバチの営巣集団を用い、複メス化する第2繁殖期の巣内メンバーの血縁関係を、マイクロサテライト遺伝子多型を用いて推定し、血縁関係のないメンバーからなる巣の、各個体の越冬成虫の数とどのメスの子供なのかを決定し、共同営巣した場合の直接適応度を推定した。 同じ巣集団内で、第2繁殖期に単独営巣する個体の直接適応度を推定した。 複メス巣と単メス巣で、採餌回数を比較した。 これらの研究結果から、1)血縁関係のないメンバーによる共同は、血縁関係にある真社会性のワーカーと変わらない適応度を得ていることが判明した。2)複メス営巣に比較して、単メス営巣の場合は大幅に直接適応度が低下する事が判明した。3)行動観察の結果、単メス巣は1日の採餌回数が極端に少なく、複メス巣と同様の子供を育てるために必要な花粉の採集が行えないことが示唆された。4)第2繁殖期には動員を行う小型の南方起源のアリが活動的になり、メインの捕食者となるため、複数のメスのうち1匹が必ず巣口を防衛し、偵察のアリを殺さないと巣を守れないため、複メス化が有利になると思われた。血縁関係のない複数メスの共同の場合、どのメスが巣に残るかは決まっていなかったが、在巣時間から考えて、互いに、相手がいない時間は巣に留まり、相手が帰巣すると出巣する傾向が見られた。 これらのことから、本種の、第2繁殖期における複メス化(社会性)は、捕食回避のための適応であると思われ、血縁関係に無関係に複メス化のメリットが存在するため、第1繁殖期に母親を失ったりした個体は、相手は誰でも良いので2匹以上で営巣し、グループ型性のメリットで適応度を上げていると考えられた。単メス営巣は相手を見つけられなかった場合のbest of bad jobs戦略であると考えられ、低い適応度でも、やらないよりマシ、という原因で維持されている物と考えられた。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)