2019 Fiscal Year Annual Research Report
Computational complexity of continuous systems
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18H03203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河村 彰星 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (20600117)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 計算可能解析 / 計算量 / 線形時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度より仏INRIAの研究者と共同で取り組んでいた、線形・準線形時間限定の二型計算についての成果を、北九州市で行われた「計算模型とその応用に関する国際会議」(TAMC)で発表した。この研究は、実数などを入出力とする情報処理の定式化に必要な二型計算理論において、「線形時間」やその周辺の計算量を初めて考察したものである。二型計算において「多項式時間」などの制限を正しく扱うには、一型入力(神託)との情報のやりとりに関して特別の注意を要することが従来理論で判っていた。本研究では、より精密な計算量の分類を行う一歩として「線形時間」に着目し、神託の呼び出しに関する適切な定式化の下で望ましい性質が成立つこと、また対数的に余計な時間を許した「準線形時間」は更に安定した性質をもつことなどを明らかにした。
また関連する国際研究活動として、第20回「論理学と計算量に関する研究集会」(LCC)プログラム委員、第16回「解析学における計算可能性と計算量に関する国際会議」(CCA)プログラム副委員長、「連続性・計算論・構成数学に関する研究集会2019」(CCC)プログラム委員、国情研湘南会議151「高階計算量とその応用」世話人を務めた。
この後、連続系におけるパラメタ計算量や情報圧縮における新たな課題について、ある海外からの研究員を受入れて取り組む予定であったが、この研究員候補者に急遽個人的事情が生じて来られなくなったこと、また令和元年度末からコロナ禍で研究集会や訪問が中止となったことにより、当初の計画通りに進めることが難しくなった。このため当該研究は一旦中断し、新たな研究員とともに連続系計算の記述言語と形式的検証に関する研究を行うこととし、再繰越後の令和3年度の秋から開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた研究員が来られなくなったこと、およびコロナ禍で往来が制限されたことにより、対面による成果発表や共同研究に関しては大きな影響を受けた。しかし、計画を変更して遠隔共同研究の態勢を整えたり、新たな研究員を雇用できたことにより、一定の進展を得たとともに今後の見通しも立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな研究員とともに連続系計算の記述言語と形式的検証に関する研究を行う。
対面での発表を目指すが、状況に応じて遠隔での発表・討論も活用する。
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Research Products
(5 results)