2020 Fiscal Year Annual Research Report
大学教育の分野別内容・方法とその職業的アウトカムに関する実証研究
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18H03657
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 由紀 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (30334262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 祐 群馬大学, 大学教育・学生支援機構, 准教授 (20511968)
松下 佳代 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (30222300)
小山 治 京都産業大学, 全学共通教育センター, 准教授 (50621562)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大学教育 / 社会的アウトカム / 学問分野 / パネル調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度においては、大学教育の分野別習得度を把握するため、大学最終学年在学者を対象とする「第1波追加調査」および前年度に実施した「第1波調査」の対象者を追跡する「第2波調査」を実施し、いずれも分析可能なサンプルサイズを確保することができた。この調査は、日本学術会議が作成している大学教育の分野別参照基準に基づいて、人文社会科学系の10個の学問分野に関して習得度項目を作成し、大学生に調査するというものであり、これまでに存在しなかった新しいデータである。 また、2020年2月に実施した英国実地調査における、英国の大学職員・大学教員・大学生・政府機関職員が英国の大学教育のアウトカム評価のシステムをどのように認識しているかに関する報告書をまとめた。英国(イングランド)では、全大学生に対する学生調査(NSS)を活用した大学評価システム(TEF)を近年導入したが、それが学生の大学に対する評価を高めるための成績基準の緩和など、意図せざる結果を生み出していることを明らかにした。日本でもNSSを模倣した大学生調査が試行されていることから、英国調査から多くの示唆を得ることが出来る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本プロジェクトでは毎年、海外実地調査を実施することを当初は計画しており、実際に2018年度はアメリカ、2019年度はイギリスを訪問し、大学教育のアウトカムを把握するために学生調査をいかなる主体や方法で実施し、それを評価や教育改善に活かしているかについて、現地の大学関係者に対してヒアリングを行った。しかし2020年度においては、新型コロナウイルス感染症により海外渡航が難しい状態になり、海外実地調査を実施することが不可能となった。 また、国内においても、大学生の分野別習得度調査を補足するための、大学教員に対するヒアリング調査を実施する予定であったが、国内の移動が難しいことから、それも滞っている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施してきた学生調査に関しては、プロジェクト最終年度まで追跡調査を継続し、大学における分野別習得度が就職後の初期キャリアやスキル発揮に及ぼす影響を縦断的に分析して各年度に学会大会および公開シンポジウム等で報告する。最終年度までのデータは分析を加えて、国際学術四文および書籍として刊行する。 実施済みの海外現地調査の結果も同様に学会大会や書籍等で公表する。 加えて、大学教員調査として、ヒアリングに替えて質問紙調査の実施を計画している。
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Research Products
(1 results)