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2018 Fiscal Year Annual Research Report

「連邦主義の現代的展開-旧東欧連邦解体の事例とEU統合の原理」

Research Project

Project/Area Number 18J01331
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

大場 佐和子  同志社大学, 政策学部, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2018-04-25 – 2021-03-31
Keywords旧東欧連邦 / ボスニア憲法 / EU加盟
Outline of Annual Research Achievements

本年度の初めは、本研究課題に関連する「旧東欧連邦」のうち、大学院時代から研究を行なっている旧チェコスロヴァキア連邦に関する研究成果について2つの研究会において報告した。

8月から9月にかけて、「旧東欧連邦」たるユーゴスラヴィア連邦を構成する共和国の1つであったボスニア・ヘルツェゴヴィナにおける現地調査を行う研究者チームに同行した。周知の通り、ボスニアは集団虐殺・民族浄化を伴う民族紛争を経験した地域であり、停戦合意(デイトン合意)によって、現在は、事実上3つの民族の棲み分けが進んだ連邦国家となっている。現地調査では、ボスニア国内に、2つまたは3つのレベルで重複する政府や官公庁などが存在するため、非効率的な国家運営が行われている状況、コミュニティの分離は進んでいるものの民族的な対立関係はもっぱら政治レベルにおいて演出されたものである状況、しかしながら、特に民族派の政党勢力が市民生活(仕事など)にも強い影響を与えていることで投票行動にもその影響が見られること、そして、ボスニアの政治・経済の停滞などに対する市民の閉塞感、人材流出といった状況があることを広く見聞した。
帰国後は、現地調査で得られた資料やその他文献資料を追加収集・整理しながら、ボスニアの特異な憲法システムおよびEU加盟問題にも関わる国制改革に関する研究を進めており、次年度以降、その研究成果を発表していく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画においては、旧ユーゴスラヴィア連邦全体を対象とすることを想定していたが、ボスニア現地調査への参加をきっかけとして、同国は、民族構成などの面で旧ユーゴの縮図であるとも言われていること、凄惨な民族紛争を経て国家再建を行なっていること、民族の平和的共存を目的として3つの主要民族間でのパワーシェアリングが行われているが、そのようなシステムにより、政治行政や経済活動の停滞につながっていること、そして、3つの主要民族以外の市民たちの政治的権利の制約につながっていることなど、多くの興味深い論点が存在することに気づいた。そこで、ボスニアに焦点を当てた研究を行うことにしたが、その成果は順調であり、次年度にはさまざまな機会に研究報告を行うことが期待できるため。

Strategy for Future Research Activity

今後とも、ボスニアの特異な憲法システムおよびEU加盟問題にも関わる国制改革をテーマとした研究を進めていき、さまざまな機会を得て、その研究成果を発表していきたい。

URL: 

Published: 2019-12-27  

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