2018 Fiscal Year Annual Research Report
作業者のパーソナルスペースを考慮した作業支援ロボットの軌道計画
Project/Area Number |
18J11044
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和田 久佳 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 協働ロボット / パーソナルスペース / 動作計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,作業者とロボットのより良い協調作業を研究目標としている.作業者の形状のみを考慮した幾何的な衝突領域の設定では,作業者が感じるロボットの衝突領域と齟齬があるため,これまでの衝突回避動作により作業者に違和感を与えることがあった.作業者の主観的な作業者自身の領域であるパーソナルスペースをロボットの動作計画に反映することで,より高度な人とロボットの協調作業を目的としている.平成30年度は作業者のパーソナルスペースの範囲を求めるためのいくつかの計測とロボットの動作計画のための相対速度の計算を行った.本年度の成果は以下の通りである. 1.作業者のパーソナルスペースの範囲を求めるために視野の計測と腕の到達範囲の計算 一般にパーソナルスペースは人の視野の影響から人の正面に長く広がっていることが知られているため,被験者を募り人の視野を計測した.また,対象とする部品受渡動作では,移動時と部品受渡時で作業者のパーソナルスペースが異なることが予想される.部品受渡を行う際には部品を受け取る腕側のパーソナルスペースは小さくなる.そこで,部品受渡時のパーソナルスペースを考えるために,作業者が受取動作を行いやすい領域を計算した. 2.適切な人とロボットの相対速度の制限を計算とその相対速度を守った動作計画方法の検討 工場内で人と同一空間で動作する産業用ロボットである協働ロボットに関する国際規格である「ISO/TS 15066」では,万が一の衝突時に協働ロボットが作業者に加えてしまうエネルギの許容値を人の体の部位ごとに導出する方法を載せている.本年度は特にロボットの相対速度に関して検討を行った.対象とするロボットの最大相対速度を計算し,これまでの協働作業は得られた相対速度を超えていたため,最大相対速度を考慮したロボットの軌道計画方法をいくつか検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度はパーソナルスペースの範囲を求めるための計測実験や計算シミュレーション,人の動作を考慮したロボットの動作計画方法に関して研究を進めている.また,今後のロボットの動作計画システムや軌道計画方法に関しても議論が進んだため,本研究は,おおむね順調に進展していると評価できる状態にある.
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度はこれまで計測や計算で得られた視野や腕の範囲から,時間変化するパーソナルスペースの範囲を求める評価式を完成させる.また,ロボットの動作計画システムにパーソナルスペースの考え方を組み込み実機実験を行う.
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Research Products
(1 results)