2018 Fiscal Year Annual Research Report
Combinatorial secretary problems and online machine learning
Project/Area Number |
18J12405
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
藤井 海斗 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
|
Keywords | 劣モジュラ / 辞書選択 / 秘書問題 / オンライン最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「辞書選択に対するアルゴリズムの開発」、「劣モジュラ秘書問題に対するアルゴリズムの開発」、「適応的劣モジュラ比に関する理論解析」の三つに取り組んだ。 一つ目の研究で扱った辞書選択とは、現実の信号をよく表現する基底の集合を選ぶ問題であり、圧縮センシングや機械学習において重要である。本研究では、辞書選択に対して理論的・実験的に既存手法を上回るアルゴリズムを開発した。また、このアルゴリズムをデータが逐次的に与えられるオンライン学習の設定へと拡張した。この成果は機械学習分野における最難関国際会議Neural Information Processing Systems(NeurIPS2018)にスポットライト発表枠として採択された。 二つ目の研究では、組合せ秘書問題における重要な問題の一つである劣モジュラ秘書問題に対して、既存のものよりもすぐれた理論保証をもつアルゴリズムを設計した。劣モジュラ秘書問題はオークション理論やオンライン機械学習に応用されている重要な問題である。秘書問題に対するアルゴリズムの性能は競合比と呼ばれる値によって測られるが、本研究では既存手法の競合比を約10倍改善することに成功した。この成果をまとめた論文は現在投稿中である。 三つ目の研究では、オンライン機械学習のさまざまな場面に現れる適応的な意思決定の問題に取り組んだ。既存の代表的な枠組みである「適応的劣モジュラ最大化」では解けない問題に着目し、適応的劣モジュラ比という新しい概念を考案して理論解析をおこなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画の通り、「組合せ秘書問題」と「オンライン機械学習」の両方において成果が得られており、期待以上の進展だといえる。なかでも特に、辞書選択に関する研究成果は機械学習分野で最高峰に位置づけられる国際会議NeurIPSのスポットライト枠に採択されるなど、国際的にも非常に高く評価されており、今後のさらなる発展が期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
一年目に取り組んだ「組合せ秘書問題」と「オンライン機械学習」それぞれの成果にもとづき、二年目はこれらを融合させる研究に取り組む。オンライン機械学習のさまざまな問題を組合せ秘書問題の観点から定式化することを試み、新しいアルゴリズムを設計することを目指す。また、機械学習に関する国際会議に参加し、最新の研究成果について情報収集する予定である。
|
Research Products
(5 results)