2018 Fiscal Year Annual Research Report
低アレルゲンソバ育成のための種子貯蔵タンパク質遺伝子の多型解析
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18J14891
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
MONSHI FAKHRUL ISLAM 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | ソバ / 2Sアルブミン / アレルゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
普通ソバにおける主要アレルゲンの一つであり、アナフィラキシー反応の原因物質と考えられている2Sアルブミンに関し、その遺伝子多様性を解析した。その上で、有用な対立遺伝子を単離し、集積することで、2Sアルブミンの蓄積量削減または組成の改変をし、低アレルゲン化を図ることを目的とした。具体的には、2016年に解明された全ゲノム概要配列データベースにある5つの2Sアルブミン遺伝子g03, g13, g28, g11, g14のうち、偽遺伝子であるg03を除く4種について解析を進めた。g13, g28については、申請者らのグループにより見出されたヌル対立遺伝子の集積を試み、g13についてはヌル対立遺伝子のホモ接合体を得た。また、g28についてはヌル対立遺伝子の遺伝子頻度の高い集団を得た。一方g11, g14については、ヌル対立遺伝子または機能変化した対立遺伝子を探索し、利用することを試みた。以上の有用対立遺伝子の集積が、2Sアルブミンの蓄積量や機能に及ぼす影響を解析し、低アレルゲン化の効果を検証している。一方、平成30年度は大腸菌発現系を構築し、組換え2Sアルブミンの機能解析を進めた。大腸菌宿主を変えて発現量と溶解性を調べた上で、最適な発現条件を明らかにした。発現させた組換え2Sアルブミンを精製し、その高次構造、トリプシン消化性の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度までに、2Sアルブミン遺伝子g13, g28のヌル対立遺伝子を有するソバ個体を単離し、隔離温室内で自然交配させ、増殖種子を得た。平成30年度は、この増殖種子の中から、ホモ接合体を探索し、g13についてはホモ接合体を得た。g28については、ホモ接合体を得られなかったものの、その対立遺伝子頻度の高い集団を得た。一方、平成30年度は大腸菌発現系を構築し、組換え2Sアルブミンの機能解析を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、引き続き、自然交配と遺伝子型決定を繰り返すことで後代種子においてヌル対立遺伝子ホモ接合体を得ることを試みる。また、g13, g28タンパク質をそれぞれ特異的に認識する抗体を調製し、ホモ接合体種子におけるg13, g28タンパク質蓄積量がそれぞれ低減化していることを確認する。一方g11, g14については、ヌル対立遺伝子を見出すことは出来なかったものの、トリプシン消化性が向上していることが期待される対立遺伝子を見出した。平成31年度は、これら機能変化した対立遺伝子を有するソバ個体を単離、増殖し、ホモ接合体を得ることを目指す。一方、平成30年度は大腸菌発現系を構築し、組換え2Sアルブミンの機能解析を進めた。本年度も、引き続き組換えタンパク質の解析を進める。
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Research Products
(1 results)