2019 Fiscal Year Annual Research Report
現代南アジアにおけるイスラーム復興思想の均衡と社会運動
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18J40025
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
須永 恵美子 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 南アジア / イスラーム思想 / 社会運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、南アジア系の思想の伝播に焦点を当て、国内・海外での調査や資料収集を行った。特に、移民に関する先行研究の整理に取り組み、1)インド系の歴史的な移住、2)グローバル化時代の移住に伴うモスクの形成や宗教団体の形成についての分析を行った。 主な活動内容として、国内では、秋田大学での日本中東学会第35回年次大会に参加した。大会発表の中では、経済統計を使用して家庭内における礼拝や断食といった信仰実践の違いに関する発表が有意義であり、今後の報告者の南アジア系移民に関わる調査において、考慮すべき視点を学んだ。また、日本国内のパキスタン系移民を追っている研究者とも意見交換をすることができた。 国外では、インドネシアで調査を行い、マタラム市マタラム地区のインド系移民の宗教施設に関する調査を行った。マタラム市周辺には、モスクのほか、キリスト教会、ヒンドゥー教寺院、中華系の霊廟などが多数見受けられた。その中で、報告者は主に西ヌサ・トゥンガラ・イスラミックセンターを中心として、モスクと周辺の宗教教育施設を調査した。同イスラミックセンターは、周辺では代表的なモスクとして、金曜礼拝のみならず、日常的なクルアーン教室、断食月の宗教行事催行などで地元住民の信仰実践のハブとして機能していることを確認した。地震の影響で一部内装が崩れているところは見うけられたものの、国内からの観光客は戻りつつあり、宗教観光の発信地としても展開していることが明らかになった。 一方で、新型コロナウイルスの流行により、参加予定だった研究会が延期されるなど、年度末に計画の変更が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年2月、新型コロナウイルスの流行により、研究会に参加をすることができないことが判明した。研究遂行上、研究会での情報収集と議論の精査が不可欠なため、時期を延長して実施する必要が生じた。この分を令和2年度に繰り越したが、おおよそ予定していた分の研究は進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は国際学会での研究は発表2本を中心に、研究成果の公開に注力する予定である。
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