2018 Fiscal Year Research-status Report
エクソソームを介したウシ子宮内膜と栄養膜の細胞間クロストーク
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18K05989
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
木崎 景一郎 岩手大学, 農学部, 教授 (40337994)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
着床・胎盤形成の鍵となる子宮内膜細胞と栄養膜細胞の機能制御機構について、各細胞が産生するエクソソーム内包因子に焦点をあて、子宮内膜と栄養膜の細胞間クロストークを明らかにすることを目的とし、今年度は研究代表者の先行研究で得られた子宮内膜と栄養膜特異的マイクロRNA(miRNA)の標的遺伝子の探索を試みた。 miRNA_Targets およびRNAhybrid を用いたin silico解析により、miR-2328-3pをはじめとした子宮内膜および栄養膜特異的miRNAの標的遺伝子の抽出および解析を行った。また、着床期~妊娠後期(妊娠18~297日)のウシ子宮内膜、胎膜および胎盤節組織から総RNAを抽出し、各miRNAと標的遺伝子の発現動態を定量的RT-PCRを用いて測定した。miRNA_Targetsを用いたin silico解析による標的遺伝子の探索では、妊娠関連糖タンパク質(PAG)ファミリー等を含む胎盤特異的な遺伝子がmiR-2328-3pの標的遺伝子として検出された。また、RNAhybridによる結合部位の特定では、miR-2328-3pがPAG1 mRNAの3’非翻訳領域に結合する可能性が示された。ウシ子宮内膜・胎盤組織中のmiR-2328-3pおよびPAG1の発現動態を調べたところ、miR-2328-3pは着床期から妊娠後期にかけて、胎子組織側での発現が減少した。一方、PAG1では発現が増加する傾向がみられ、逆相関の関係を示したことから、miR-2328-3pがPAG1 mRNAに結合することによって、PAG1タンパク質の発現を調節している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子宮内膜および栄養膜特異的miRNAの標的遺伝子として数種の特異的miRNAを示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、標的遺伝子中に存在する特異的miRNAの結合配列を用いたルシフェラーゼレポーターアッセイや合成miRNA導入が標的タンパク質の合成に及ぼす影響について検討を加える。
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Research Products
(2 results)