2022 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中再発予防行動継続のための頸動脈の血行動態を含む包括的・視覚的評価指標の開発
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18K10598
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
冨澤 栄子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (60709096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 綾子 四国大学, 看護学部, 教授 (10227275)
山口 豪 四国大学, 看護学部, 准教授 (60532182)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 成人期 / 脳卒中患者 / 不確かさ / 健康関連QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,脳卒中再発予防をするために頸動脈エコーによる頸動脈の血行動態に関する評価指標を加えた新たな脳卒中の包括的評価指標を開発することである. 2022年度は,2019年度に調査した脳卒中患者のデータを分析し,成人期の脳卒中患者における病気の不確かさの要因および健康関連QOLに関連する要因を検討した. 成人期の脳卒中患者66名を対象として調査した結果,成人期における脳卒中患者の不確かさは,発症後の期間(発症1か月未満),脳卒中重症度(NIHSS2以上),子供との同居,ADL(BI60未満)によって特徴がみられた.特に発症後間もない患者や脳卒中重症度が高い(NIHSS2以上)患者,ADL自立度の低い患者においては,心理面やスピリチュアルケアが必要であること,子供と同居する患者においては,家族役割・社会的役割の遂行に対する支援の必要性が示唆された. また,成人期の脳卒中患者のQOLは,「体の痛み」を除く全ての下位尺度において,慢性疾患2つ以上を有する日本国民の平均値と比較して低値であった.発症後の期間,NIHSS,BI,性別,後遺症の有無,年齢がQOLに関連していた.社会的・経済的に中心的な役割を担う成人期の脳卒中患者では,発症後の期間(発症1か月未満),脳卒中重症度(NIHSS2以上) ,患者のADL(BI60未満)に着目した早期からの看護介入の必要性が示唆された. 以上の結果より,成人期の脳卒中患者の特徴として,重症度やADLの低下といった家族役割・社会的役割の遂行を阻害される状況が心理面・健康関連QOLへの影響を及ぼすことが推察され,療養生活から社会生活の再構築に向けたシームレスな看護介入の必要性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
covid-19感染拡大状況により,研究協力病院での患者を対象とした調査研究が困難な状況が続いており,頸動脈エコーによる頸動脈血行動態に関するデータ収集が進まなかった.2023年度は,引き続き研究協力病院の状況をみながら,研究を進めていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度もcovid-19感染拡大状況により,研究協力病院での患者を対象とした調査研究が困難な状況が続いた.2023年度は,研究協力者に対する頸動脈エコーによる頸動脈血行動態に関するデータ収集に関する調査が困難な場合は,カルテ調査に変更して行う.また聞き取り調査に関しては,病院内での対面による聞き取り調査が困難な場合は研究協力者から同意を得たうえでオンラインまたは電話による聞き取り調査に変更して実施する予定である.
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Causes of Carryover |
covid-19感染拡大状況により,研究協力病院での患者を対象とした調査研究が困難な状況が続いており,頸動脈エコーによる頸動脈血行動態に関するデータ収集が進まなかった.そのため,データ収集など研究のための交通費に関して使用計画とに差異が生じた.2023年度のデータ収集や学会参加のために使用する予定である.
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Research Products
(2 results)