2018 Fiscal Year Research-status Report
AIによる、教育と医療で共有可能なADHDスクリーニング及び治療適正化方法の開発
Project/Area Number |
18K10960
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
阪上 由子 滋賀医科大学, 医学部, 特任准教授 (00437170)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 幸一 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10642514)
澤井 ちひろ 滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (30599824)
大平 雅子 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (40616190)
松尾 雅博 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70456838)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ウェアラブル小型行動計測計 / ADHD診断アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
ADHD(注意欠陥多動性障害)の症状評価は質問票を用いた評価が主であるが、質問閾値の捉え方が評価者によって異なり、過剰評価による不必要な薬物治療や過小評価による対応不全を招く恐れがあり、教育現場と家庭・医療を単一の客観的指標の構築が急務となっている。単一の客観的指標は、治療開始後の効果判定にも有用であり、薬剤の適正使用がより容易となることが期待される。また、ADHD患児の半数で、睡眠に関する問題を認める、特に多動性・衝動性優位型及び混合型のサブタイプにおいて器質的な要因による睡眠障害を伴いやすいとの既報はADHDがサブタイプごとに異なる病理背景を持ち、治療戦略が異なることを示唆するものであり、より適正な治療戦略作成にむけ、行動だけでなく睡眠を含めた客観的評価ツールが必要である。本研究においては学年ごとに活動量の標準化を行う事で個々の集団での特異性を定量化し、より普遍的でエビデンスに基づくADHDスクリーニング法を作成する。
上記目的のために、今年度は昼夜を問わず行動を記録し、「行動量」「睡眠時間」などを客観的に定量可能であることが研究分担者の先行研究により実証されているウェアラブル小型行動計測計を購入した。ADHDの診断を補助するアルゴリズムの開発にむけ、学童期の一般標準データの作成にむけた準備を行った。 具体的には、上記研究目的やその方法(小学校の各学年30名、計360名を対象と同計測計を1週間連続装着により行動・睡眠記録を行う)について説明し、ご協力頂ける小学校を確保した。今年度中の研究実施に向け、学内倫理委員会の審査・承認を得るために研究計画書を作成中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昼夜を問わず行動を記録し、「行動量」「睡眠時間」などを客観的に定量可能であることが既に研究分担者により実証されているウェアラブル小型行動計測計を購入した。行動・睡眠特性を網羅的に把握し、ADHD(注意欠陥多動性障害)の診断を補助するアルゴリズムの開発にむけ、学童期の一般標準データの作成の準備を行った。 具体的には、上記研究目的やその方法(小学校の各学年30名、計360名を対象と同計測計を1週間連続装着により行動・睡眠記録を行う)について説明し、ご協力頂ける小学校を確保した段階である。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画が倫理委委員会の承認を得られ次第、学童期の一般標準データの作成に向け対象児童のリクルートを行い、ウェアラブル小型行動計測計を用いた「行動量」「睡眠行動」のデータの蓄積・評価を行う。また、併行して、当院発達外来に通院中のADHD(注意欠陥多動性障害)を対象に同計測計による「行動量」「睡眠行動」に関するデータも蓄積し、学童期の一般標準データと複数の特徴量の比較から行動・睡眠特性を網羅的に把握し、ADHD診断を補助するアルゴリズムの開発を行う。
|
Causes of Carryover |
進捗状況が当初の予定よりやや遅延しており、次年度の研究として活用する必要が生じたため。
|