2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞多様化と神経回路組織化をもたらす分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
19100006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八木 健 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 教授 (10241241)
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Keywords | カドヘリン / 多様性 / 遺伝子クラスター / 神経回路 / セロトニン / 遺伝子制御 |
Research Abstract |
脳は多様化した神経細胞より構成され、組織化された神経回路網を形成している。この脳のシステムを理解してゆく為には、神経細胞の多様化と神経回路形成とを統合して捉える分子メカニズムを明らかにする必要がある。CNR/プロトカドヘリン分子群はゲノム染色体で遺伝子クラスター構造を形成し、個々の神経細胞で異なる組み合わせで発現している。本年度は、シスDNA制御エレメントについての解析を、異種間で保存されているDNA領域の解析、遺伝子発現解析により行った。その結果、プロトカドヘリンγ遺伝子クラスター下流でエンハンサー活性をもつシスDNA制御エレメントを特定することができた。現在、この領域を欠損させたマウスの作製を行っている。また、遺伝子クラスターにおける遺伝子制御機構を明らかにするために、対立染色体間でのCre/loxP依存的遺伝子組み換えを行い、可変領域エクソンの数を変換(欠損、重複)したマウスの作製を行った。この遺伝子変換マウスについて遺伝子発現の解析を行った結果、CNR/プロトカドヘリンα遺伝子クラスターには、個々の神経細胞で異なるアイソフォームを発現させる制御と、全ての神経細胞で恒常的に発現させる制御の2種類が存在しており、遺伝子クラスターが変換してもこれらの遺伝子制御機構が維持されることを明らかにした。また、個々の神経細胞で異なるアイソフォーム発現制御は、遺伝子クラスター数に依存した確率的なものであることが明らかになった。更に、CNR/プロトカドヘリンα遺伝子クラスターにおけるプロモーター領域のDNAメチル化に関わる酵素の同定に成功した。また、遺伝子欠損マウスを用いた解析によりCNR/プロトカドヘリンαが、セロトニン神経の最終投射領域における神経回路形成に必須であることを明らかにした。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] Kinase-dead Knock-in mouse reveals an essential role of kinase activity of Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase IIalpha in dendritic spine enlargement, long-term Potentiation, and learning.2009
Author(s)
Yamagata Y, Kobayashi S, Umeda T, Inoue A, Sakagami H, Fukaya M, Watanabe M, Hatanaka N, Totsuka M, Yagi T, Obata K, Imoto K, Yanagawa Y, Manabe T, Okabe S
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Journal Title
The Journal of Neuroscience 29
Pages: 7607-7618
Peer Reviewed
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