2007 Fiscal Year Annual Research Report
がん拍制遺伝子産物の乍用を増強させる天然低分子化合物の開発
Project/Area Number |
19310140
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
塚本 佐知子 Kanazawa University, 自然科学研究科, 准教授 (40192190)
|
Keywords | がん挿制遺伝子 / 天然資源 / 低分子化合物 / p53 / がん治療薬 / Mdm2 / COP1 / Ubc13-Uev1A |
Research Abstract |
本研究課題においては、がん抑制遺伝子産物p53の作用を増強させる天然低分子化合物の開発を目指すことを目的としている。特に、p53の「負の調整因子」であるMdm2の作用を阻害する化合物の探索を目指し、スクリーニングを行った。そして、本申請者の研究室で採集した生物の抽出物から、活性を示すサンプルを見いだすことができた。また本研究においては、p53に対する他の「負の調整因子」であるCOP1の作用を阻害する化合物の探索も行う予定であった。しかし、アッセイ系の構築が予定通りに進まなかった。一方で、ユビキチン系の構成因子であるE2の一つであるUbc13-Uev1A複合体の形成を阻害することも、p53の作用が増強されると期待される。そして、海綿Leucettamicrorhaphisの抽出物がUbc13-Uev1A結合阻害活性を示したので、活性物質の精製を行った。そして、以前、抗菌物質として報告されていたleucettamo1Aを得ることができた。こちらのアッセイ系は当初予定に入れていなかったが、本研究課題の目的に合った結果であるといえる。この成果については、現在、論文を投稿中である。そして、2008年2月に行われたGordon Research Conference(Marine Natural Products)、および、2008年3月に横浜で行われた日本薬学会第128年会においても、成果報告を行った。さらに薬学会では、これまでに行った関連する成果について、シンポジウムにおいて講演を行った。一方、総説「展開するプロテアソーム阻害剤研究」が、実験医学増刊に掲載された。
|