2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん抑制遺伝子産物の作用を増強させる天然低分子化合物の開発
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19310140
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
塚本 佐知子 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 教授 (40192190)
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Keywords | ユビキチン / プロテアソーム / がん抑制遺伝子産物 / 抗がん剤 / 天然低分子化合物 / p53 / 海洋無脊椎動物 / 海洋由来微生物 |
Research Abstract |
ユビキチンープロテアソームシステムを阻害する物質が、新しい機序で作用する抗がん剤として期待されている。そして、私たちは、新規抗がん剤の開発を目指して、この系に対する阻害物質を天然資源から探索している。特に本研究課題においては、がん抑制遺伝子産物p53の作用を増強させる天然低分子化合物の開発を目指すことを目的としている。そして既に、(1)プロテアソームに対する阻害物質として種々のagosterol誘導体及びsecomycalolideA、(2)ユビキチン活性化酵素(E1)に対する阻害物質としてhimeicacidA、(3)がん抑制タンパク質p53とそのユビキチンリガーゼ(E3)であるHdm2との相互作用を阻害する物質として(-)-hexylitaconic acid、(4)p53がポリユビキチン化された後にプロテアソームへと運搬されるステップに対する阻害物質としてgirolline及び(5)ユビキチン結合酵素(E2)の一つであるUbc13-Uev1A複合体の形成を阻害する物質としてleucettamolAを、海綿や海洋由来真菌から単離した。平成21年度の成果は、(-)-hexylitaconic acidの絶対立体配置がRであることをVCDにより明らかとしたことである。その成果は、Bioorg. Med. Chem. Lett.に発表した。また、その際にS体が合成されたので活性を比較したところ同程度の活性を示した。したがって、絶対立体配置は、活性発現とは関係ないことが分かった。また、新規プロテアソーム阻害物質としてAaptos suberitoidesからaaptamine類を単離した。この成果は、日本薬学会第130年会で発表したが、論文は投稿中である。さらにユビキチンープロテアソームシステム全般に関してスクリーニングを行い、現在化合物の精製を行っている。
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