2009 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀アジアの社会変動と高齢者のライフコース-家族イベントの聞き取りを通して-
Project/Area Number |
19330105
|
Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
山根 真理 Aichi University of Education, 教育学部, 教授 (20242894)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 加代子 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (50213377)
中筋 由紀子 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60303682)
長坂 格 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (60314449)
宮坂 靖子 奈良大学, 社会学部, 教授 (30252828)
山本 かほり 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (30295571)
|
Keywords | ライフコース / アジア社会史 / 家族イベント |
Research Abstract |
本研究の目的は、東アジア・東南アジア諸地域における高齢者のライフコースを、特に家族イベントに着目して行い、それを20世紀の社会変動とのかかわりで考察することによって、20世紀のアジア史を個人・家族・社会の重なり合いにおいて理解することである。 今年度、最終年度の仕事として、4カ国5地域における質問紙調査を終了した。昨年度の韓国調査(ソウルおよびテグ)と中国調査(大連)に続き、日本(名古屋市)とフィリピンにおいて、ライフコースにかんする質問紙調査を実施した。日本では81ケース、フィリピンでは75ケースのデータを集めた。 また、今年度は韓国、中国の研究協力者を招聘し、日本家族社会学会の国際セッションにおいて、調査結果の報告を行った。あわせて名古屋市女性会館において、市民対象の国際セミナーを開催し、研究成果を広く社会に公表する機会をもった。また日本社会学会においてテーマセッションを設け、研究報告を公募し、アジア・ライフコース研究会のメンバーによる成果報告とあわせて発表、議論する場を設けた。さらに「国際移動とライフコース」に関連する現代的イシューについてもインタビュー等を通して得た知見の公表を行った。 植民地時代を含む20世紀を生きた方々のライフコースを聞き取る機会としてはまさに「最後の機会」であり、ケースが限られているとはいえ同一の質問紙で4カ国5地域のデータを収集しえたこと、「ライフコース・歴史・移動」に関連する研究ネットワークをつくることができたことが大きな成果であった。今後さらに収集したデータの精緻な分析を行い、成果を世に問うていきたい。
|