2009 Fiscal Year Annual Research Report
寿命制御による骨再生スカフォールド用生分解性樹脂複合材料の高機能化
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19360050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北條 正樹 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (70252492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安逹 泰治 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40243323)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 複合材料・物性 / 構造・機能材料 / 生分解性樹脂 / 組織再生工学 / HAp / ポリ乳酸 / スカフォールド |
Research Abstract |
本研究では,骨再生用の3次元多孔構造スカフォールドに最適なHAp/生分解性樹脂複合材料を開発するとともに,3次元多孔構造の直接造形法を開発することを目的としている.本年度の成果は次のように要約される. 1)静水圧押出し成形により作製した,PLLA単体およびHAp/PLLA複合材料の圧縮破壊挙動およびこれに及ぼす加水分解の影響について検討した.Hapについては,アスペクト比が10程度の針状のものを用いた. 2)HAp/PLLA複合材料のHApの体積含有率は約15%であった.また,PLLAの結晶化率は約50%であった. 3)X線回折により,PLLAの分子鎖は押出し方向に強く配向していることがわかった. 4)弾性率は,未浸漬の場合にはHAp/PLLAは3.8GPa,PLLA単体では2.7GPaで,HAp繊維強化によって40%向上した.弾性率は浸漬によって徐々に低下した. 5)圧縮の降伏強度は,未浸漬の場合にはHAp/PLLAとPLLA単体では約125GPaでほぼ同じであった.浸漬時の低下は8週間後でHAp/PLLAは15%,PLLA単体は40%低下した. 6)主な破壊機構は,ボアッソン効果による配向したPLLAの引張破壊と,HAp粒子とPLLAの界面はく離であった.浸漬により樹脂の加水分解と界面劣化により複雑な破壊機構の変化が生じることがわかった.
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