2008 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣関連遺伝要因とメタボリックシンドロームに関する予防医学的研究
Project/Area Number |
19590595
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
竹下 達也 Wakayama Medical University, 医学部, 教授 (20150310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牟礼 佳苗 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90268491)
西尾 信宏 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00278631)
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Keywords | 肥満 / 内臓脂肪 / 遺伝子 / 生活習慣 / 飲酒 / 予防 / 高脂血症 |
Research Abstract |
ある大企業の労働者の中で、生活習慣、遺伝要因、メタボリックシンドローム関連健康指標の調査への参加の同意の得られた731名を対象として、平成19年度に引き続き、遺伝子型の解析および生理活性物質の測定と解析を行った。アルコール感受性に関連するADH1B遺伝子型に関しては、予想されたような遺伝子型頻度分布がみられた。この遺伝子型に関しては、アルコール依存症のリスクと強く関連していることが報告されているが、通常の飲酒習慣や問題飲酒行動との関連性はほとんど明らかにされていない。今回の解析により、ADH1B遺伝子型が、アルコール感受性と弱いながらも関連していること、飲酒習慣に対しても弱いながら関連している可能性が示された。しかし、問題飲酒行動に対しては、関連する傾向はみられるものの有意な結果は得られなかった。今回の結果は、今後ADH1BおよびALDH2遺伝子型の遺伝子検査を行う際の対象者へのフィードバックのために重要な知見をもたらしうると考えられる。肥満に関連するADRB3遺伝子型に関しては、内臓脂肪面積が大きい群において、肝機能指標に対して、ADRB3遺伝子型と運動習慣の交互作用による影響がみられた。ADRB3遺伝子型は内臓脂肪型肥満およびその健康影響に対する関連性について、一致しない結果が報告されている。今回の包括的な解析を進めることにより、この問題に新しい知見をもたらしうると期待される。H20年度には、肥満と関連する代表的な生理活性物質の1つであるアディポネクチン値の測定を行った。とくに高分子量アディポネクチンがその後の健康度の予知指標となりうる可能性が報告されており今後この指標を含めてさらに解析を進めていく予定である。
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