2008 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸脱水酵素関連蛋白が癌細胞の進展を増強する分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
19590774
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
西森 功 Kochi University, 教育研究部医療学系, 准教授 (30237747)
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Keywords | 炭酸脱水酵素関連蛋白 / 大腸がん / 消化管間葉系腫瘍 / EEF1A1 / KGFR / アポトーシス |
Research Abstract |
1(1)培養細胞におけるCA-RP mRNAの発現:8種類の培養神経系細胞におけるCA-RP VIII,X,XIのmRNA発現をRT-PCR法により検討した結果、3種類のCA-RPは様々な発現パターンを示し、CA-RP XIの発現が最も汎く見られた。 (2)CA-RPの細胞内局在の検討 (1)COS-7細胞における遺伝子導入発現:CA-RP VIII,X,XIの蛋白コード領域cDNAをPCRで増幅精製後、pE-GFPベクターにサブクローニングした。COS-7細胞に遺伝子導入し、CA-RPとGFPの融合蛋白の局在を蛍光顕微鏡で観察した結果、3種類のCA-RPとも細胞質内での発現が確認された。 (2)内在性CA-RPの細胞内局在の検討:消化管間葉系培養細胞GIST-T1および神経系培養細胞TGWを用い、3種類のCA-RPに対するモノクローナル抗体を用いた免疫蛍光抗体染色を行い、蛍光顕微鏡で観察した。GIST-T1細胞においてCA-RP VIIIは細胞質内、特に核周囲に局在が見られた。また、TGW細胞におけるCA-RP XIの発現は神経突起にはほとんど見られず、核周囲に発現が見られた。 一方、昨年度からの検討よりCA-RP VIIIはaminoacyl-tRNAをリボゾームに搬送するeukaryotic translation elongation factor alpha 1 (EEF1A1)と細胞内で結合し、またCA-RP VIIIおよびXIは上皮細胞の分化やアポトーシスを誘導するKeratinocyte growth factor receplor(KGFR)の発現を抑制していることが示された。 3種類のCA-RPはいずれも核周囲に多く存在することより、CA-RPは粗面小胞体においてEEF1A1と結合しKGFRなどの蛋白合成を抑制する可能性が示され、その結果、上皮細胞の分化やアポトーシス誘導が低下し、癌細胞の進展が増強される分子メカニズムが想定された。
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Research Products
(7 results)