Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 靖紀 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (60343092)
瀧口 裕一 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (30272321)
巽 浩一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (10207061)
栗山 喬之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20009723)
仁木 登 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (80116847)
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Research Abstract |
本研究の目的は,肺血管床の定量評価と肺血栓塞栓症の自動診断システムの開発である。1つの方法として,非造影CTで肺野条件でのモザイク(肺血流がある部位か白く,ない部位が黒い)パターンの定量化プコグラみを開発し,その特異度,敏感度を明らかにすることがある。本年は,急性肺塞栓症と診断され,造影multi detector-row CT(MDCT)を実施した自験例について,その診断能の有用性を報告した(Cir J 2007)。また54例(うち経過観察のMDCTを実施したのは37例)についてmosaic perfusionの頻度,経過,意義について検討し,2検者の肉眼によるmosaic perfusionの頻度は8/54例(21.6%)で,重症例ほどmosaic perfusionを認めることが明らかとなり,本年American ThoracicSocietyで発表する予定である。現在,非造影および造影CTを用いて,気管支ごとのmosaicperfusionの定量化に着手している。さらに,正常例でのmosaic perfusionの頻度や,肺気腫と鑑別する方法を開発中である。 もう1つの方法として,非造影CTの肺血管画像からの肺血管の定量評価がある。末梢での肺動脈と肺静脈の分離は容易であるが,縦隔での分離が困難で,現在そのプログラムを開発中である。さらに,造影CTによる肺血管床の定量評価については,肺動脈,肺静脈,血栓を認識し,定量評価するプログラムを開発中である。 肺血栓塞栓症は,有症状であっても未診断のまま経過し,死に至ることが多い疾患である。慢性肺血栓塞栓症では,非造影,造影ともにほぼ100%に認めるmosaic perfisionが,急性でも1/4の症例にみられることから,CTの自動解析システムに,肺血栓塞栓症に特徴的なmosaic patternの認識を入れることは,本症の早期発見につながるものと考えられる。
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