2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノDDSによるメラノーマ特異的分子標的RNAインターフェレンス療法
Project/Area Number |
19591323
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
浅田 秀基 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学部, 博士研究員 (20399041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 三郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90079913)
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Keywords | RNAi / DDS / 癌 / 免疫学 |
Research Abstract |
bHLH-LZドメインを有する転写因子であるMITF(microphthalmia-associated transcription factor)は、メラノサイトの発生と分化に必須の分子である。さらにこれまでに我々は、MITFを特異的siRNAにより抑制することで、メラノーマがアポトーシスを起こし、その結果、腫瘍の増殖抑制が認められることを実験的および前臨床的検討により明らかにしてきた。そこで、さらに効果的な治療法を確立することを目標に、MITF特異的siRNAとTh1タイプのサイトカインであるIL-12の併用による、メラノーマに対する相乗治療効果を検討した。C57BL/6マウスの皮下に5×10^5個のB16メラノーマ細胞を移植し(各群n=8)、腫瘍移植後1、2、3、5、10日目に、それぞれ(1)無治療、(2)Control siRNA(40μg/匹)投与およびIL-12遺伝子導入(10μg/匹)、(3)MITF特異的siRNA(40μg/匹)投与、(4)MITF特異的siRNA投与およびIL-12遺伝子導入を行った。抗腫瘍効果は、移植腫瘍細胞の増殖およびマウスの生存日数により判定した。その結果、腫瘍増殖は、IL-12遺伝子導入群およびMITF特異的siRNAとIL-12遺伝子の併用群で、無治療群と比較して顕著な抑制効果を示した。また、生存日数は、併用群で最も効果的な期間の延長が認められた。今後、更なる検討が必要であるが、MITF特異的siRNAの導入は、メラノーマ以外の細胞に対する副作用もなく、腫瘍特異的な治療効果が期待できるので、我々の研究がメラノーマに対する治療法の確立に貢献できるものと考えられる。
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Research Products
(2 results)