2008 Fiscal Year Annual Research Report
経済数学としての積分方程式-貨幣のサーチ・モデルへの応用を通して-
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19653017
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| Research Institution | Osaka Prefecture University |
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Principal Investigator |
佐橋 義直 Osaka Prefecture University, 経済学部, 教授 (30324445)
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| Keywords | 貨幣のサーチ・モデル / 均衡の不決定 / 積分方程式 / 固有値 / differential game |
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| Research Abstract |
本研究は、全体として、貨幣のサーチ・モデルなどへの応用という形で、積分方程式の理論の経済モデルへの適用の可能性を摸索するものである。当初、平成19年度のうちに貨幣のサーチ・モデルにおける均衡の不決定の問題について一定の成果を得ることを目指していたが、予想以上に研究が難航し、平成20年度も引き続きこの問題に取り組むことになった。貨幣のサーチ・モデルにおいては、以前から、貨幣の分割可能性を仮定する時、均衡の不決定の問題が発生することが経験的に知られていたが、その発生のメカニズムは必ずしも十分に解明されているとは言いがたい。平成20年度は、この問題について、potential gameの理論など、いくつかの新しいアプローチを試みた。また、本来の貨幣のサーチ・モデルにおける均衡の不決定については、いまだに問題の解決には至っていないが、このモデル自体を拡張して複数種類の貨幣を伴うサーチ・モデルに拡張することは容易である。そして、そのような応用は特に国際経済の分野での為替レートの問題や地域通貨などの問題を考察する際に有効なものとなるであろう。そこで平成20年度は、研究の対象をそのようなモデルの拡張についても広げ、特に複数の貨幣を含むサーチ・モデルの定式化について、いくつかの方法があることを確認し、またそのような複数通貨のモデルにおいても、本来のサーチ・モデルにおいて均衡の不決定の問題が発生するのであれば、同様に均衡の不決定の問題が発生しうることをいくつかのケースで確認することができた。
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