2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659331
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
太田 成男 Nippon Medical School, 大学院・医学研究科, 教授 (00125832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 郁朗 日本医科大学, 老人病研究所, 講師 (30343586)
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Keywords | 水素ガス / 活性酸素 / 酸化ストレス / ミトコンドリア / 虚血再灌流 |
Research Abstract |
組織が虚血再灌流(I/R)に曝露されると、再灌流の早期段階でROSが大規模に生成され、肝、脳、心臓および腎など様々な臓器の組織に深刻な障害を引き起こす。これまで酸化ストレスによるI/R傷害は基礎研究および臨床研究の重要な焦点とされてきた。 I/R誘発性臓器障害の考えられる基礎的な機序は、多くの因子が関与し、相互依存的であり、低酸素症、炎症反応およびフリーラジカル障害に関与している。I/R傷害の病因は未だ解明されていないが、酸素フリーラジカルが重要な役割を担っていることは明らかである。それゆえI/R傷害への臨床的対応としては、フリーラジカル・スカベンジャーが実用的であると考えられている。実際に、これまでにもnicaraven,MCL-186,MESNA,およびαトコフェロールとGdCl_3などの多くの薬剤が、I/R傷害を予防するためのスカベンジャーとして試みられてきた。 著者らは、最近、水素分子がin vitroで酸素ラジカルの濃度を選択的に減少させること、ラットの中脳動脈閉塞モデルを用いた研究で、水素分子が治療的抗酸化活性を呈することを報告したが、ヘリウムのような小分子にも同じ作用がみられるかどうか、さらには、この方法が他の臓器にも適用できるかどうかは未だ明らかになっていなかった。 著者らはマウスの肝の左葉および中間葉への門脈三管を90分間完全に閉塞させたのち、180分間の再灌流を実施した。このうち最後の190分間に1〜4%の水素ガス吸入を行ったところ、肝細胞死が抑制され、血清アラニン・アミノトランスフェラーゼおよび肝マロンジアルデヒドの濃度が減少した。一方、ヘリウムガスにはそのような保護作用が認められなかったことで、水素ガスによる保護作用が特異的であることが示唆された。このことから、著者らは、水素ガスの吸入が酸化ストレスを減少させるために広範囲に適用可能な方法であることを提案した。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals.2007
Author(s)
Ohsawa, I., Ishikawa, M., Takahashi, K., Watanabe, M., Nishimaki, K., Yamagata, K., Katsura, K. -L, Katayama, Y., Asoh, S. Ohta, S.
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Journal Title
Nat. Med. 13
Pages: 688-694
Peer Reviewed
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[Journal Article] Transduction of anti-cell death protein FNK protects isolated rat hearts from myocardial infarction induced by ischemia/reperfusion.2007
Author(s)
Arakawa, M., Yasutake, M., Asoh, S., Miyamoto, M., Takano, T., Ohta, S.
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Journal Title
Life Sci. 80
Pages: 2076-2084
Peer Reviewed
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[Journal Article] A Protein Derived From the Fusion of TAT Peptide and FNK, aBcl-X_L Derivative, prevents Cochlear Hair Cell Death From Aminoglycoside Ototoxicity In Vivo2007
Author(s)
Kashio, A., Sakamoto, T., Suzukawa, K., Asoh, S., Ohta, S., Yamasoba, T.
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Journal Title
J Neurosci Res. 85
Pages: 1403-1412
Peer Reviewed
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