2007 Fiscal Year Annual Research Report
上皮間葉移行における腫瘍浸潤能獲得の解明とヒストン修飾と腫瘍悪性化の関連性
Project/Area Number |
19659379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
尾崎 敏文 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40294459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国定 俊之 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80346428)
古松 毅之 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20432651)
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Keywords | 上皮間葉移行 / ヒストン修飾 / 腫瘍悪性化 |
Research Abstract |
今回の研究では、我々が確立した腫瘍組織浸潤モデルマウスを使用し、軟部腫瘍におけるヒストン修飾と腫瘍浸潤能獲得との関連性をEpithelial-Mesenchymal Transition (EMT;上皮間葉移行)の理論のもと、HDAC複合体関連因子によるE-Cadherinの発現調節の解析を目的とする。 今年度は、(1)In vitroにおいて滑膜肉腫細胞株SYO-1を用いてHDAC阻害剤添加群、未添加群でヒストン修飾とE-cadherin, SnailなどのEMTに関連した遺伝子の発現を比較した、(2)In vivo腫瘍組織浸潤モデルマウスにおける、HDAC阻害剤によるヒストン修飾とE-cadherin, SnailなどのEMTに関連した遺伝子の発現を調べる。 Ih vivoモデルには、SYO-1をヌードマウス皮下に移植し、腫瘍細胞浸潤モデルを作成した。治療群はHDAC阻害剤を投与し、対照として腫瘍移植のみの未治療群を作成した。経時的に腫瘍組織を採取し、Realtime-PCR、免疫染色を行い、治療・未治療群で発現比較を行った。 In vitroでは、免疫染色ではHDAC阻害剤添加群でアセチル化ヒストンH3陽性であった。未添加群と比較してE-cadherinのmRNA発現が増強されたが、Snailの発現は変化しなかった。 In vivoにおいて、免疫染色では治療群でアセチル化ヒストンH3陽性であった。未治療群では皮下軟部組織への腫瘍浸潤が見られたのに対し、治療群では腫瘍は皮下に限局していた。このことよりHDAC阻害剤による腫瘍浸潤の抑制が示された。 さらにWestern Blot法にてE-Cadherin及び、アセチル化ヒストンの発現量を比較の解析を予定している。今後ヒストンアセチル化と転写因子のプロモーター領域への結合の変化について解析を進めていく予定である。
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