2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700323
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
太城 康良 Mie University, 大学院・医学系研究科, 講師 (10398787)
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Keywords | アストロサイト / シナプス / 延髄 / 孤束核 / 血圧調整 / 神経発達 / ラット / 電顕 |
Research Abstract |
神経回路の発達過程において、必要なシナプスは強化、不要なシナプスは除去される。前年度は呼吸・循環中枢である延髄の孤束核の背側部で、抑制性(GABA作動性)軸索細胞体型シナプスの数が減少する過程にアストロサイトが関与することを示した。この現象が孤束核の背側部、さらに、抑制性シナプスに限定的であるかは未解明であった。本年度は基礎的知見としで、腹側部さらに興奮性(グルタミン酸作動性)シナプスの数量を免疫電顕法を用いて発達段階毎に調べ、以下の知見を得た。 (1) GABA作動性軸索細胞体型シナプスの割合は、背側部では生後直後では多いが成体ではほとんど観察されない、一方、腹側部ではその割合が維持される。 (2) グルタミン酸作動性軸索細胞体型シナプスの割合は、背側部、腹側部ともに、生後直後では多いが成体ではほとんど観察されない。 (3) 大型細胞と小型細胞では、腹側の大型細胞では、GABA作動性の軸索細胞体型シナプスを有するものの割合、密度が増加した。 これらの結果は、抑制性シナプスと興奮性シナプスの均衡が、生後発達段階が進むにつれて、相対的に背側部が興奮性優位、腹側部が抑制性優位に変化することを示している。この形態学的な知見はすでに論文発表・学会発表をとおして公表された。GABA作動性の軸索細胞体型の抑制性シナプスの改編は情報処理に大きな影響を与えていることが予測されるので。今後は個体レベルでの生理的機能の成熟を促すことを示す直接的な知見が得られるよう、研究を継続する。
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Research Products
(3 results)