Research Abstract |
タイでは, 医療保健福祉分野の重点課題として障害者対策に取り組んでいる。都市部の一部の障害者においてそれらの成果は得られているものの, 7割以上が村落部に住むといわれている多くの障害者にはこれらのリハビリテーションサービスがほとんど行き渡っていない。このような村落部において, 障害者を支援する地域住民と協力し, 地域の実状にあった社会資源を活用し, 住み慣れた地域でより良い生活を送ることを目指す『地域に根ざしたリハビリテーション : community-based rehabilitation(以下CBR)』の実践が重要と考える。 チャイヤプーム県でCBRを実施するための予備調査として, CBRボランティアワーカーの選抜とCBRボランティアワーカーのCBRのニーズを明らかにするため, 質問紙調査を行った。CBRボランティアワーカーのCBRニーズとして, 1. 学びたいことは, 訓練・介助方法等の実践面と正常発達, 福祉機器等の知識面に渡る, 広い範囲である, 2. 障害児(者)宅訪問の際にかかる交通費に不安を感じる者がおり, ボランティア継続の阻害要因になり得る, 3. 障害児(者)に関する知識の普及への意欲が高く, 村での普及活動の必要性を認識していたであった。また, 障害児(者)への面接調査により, 村での生活のしやすさは村民からの協力の有無による, リハビリテーションを行う基盤がある, CBRはアウトリーチだと考えている, 医学的な関わりが生活に根付いていないことが明らかとなった。 平成20年8月と平成21年3月に, CBRボランティアの養成ワークショップ(テーマ : 脳性麻痺について, 椅子を作ろう, CBRについて)とケーススタディ, フォローアップを行った。ケーススタディは, CBRボランティアワーカーと病院職員, 障害者協会会員, 村役場職員等とチームを組んで, 障害児(者)の家庭訪問を行った際に, 障害児(者)とその家族に協力を仰ぎながら行った。CBRボランティアワーカーは, 障害児(者)へのボランティア活動を実施していた。
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